森鷗外「杯」【全文朗読】
11:21
Пікірлер
@mikoyan2003
@mikoyan2003 Ай бұрын
面白い
@nagi_reading
@nagi_reading Ай бұрын
コメント、ありがとうございます!
@user-rq4hm3tl2k
@user-rq4hm3tl2k Ай бұрын
お笑いで人気の古川ロッパの有名ホテルでの食事感のご披露でしたね。
@nagi_reading
@nagi_reading Ай бұрын
コメント、ありがとうございます! 古川緑波の軽妙な語り口、私も好きです。
@user-md2iu3fe2h
@user-md2iu3fe2h Ай бұрын
やきもち⁇みつこ?さんは可哀想😢旦那の犠牲者😤😫
@nagi_reading
@nagi_reading Ай бұрын
コメント、ありがとうございます! かわいそうなお話でしたね。読んでて切なくなりました。
@nyatta
@nyatta 2 ай бұрын
愉快な朗読ありがとうございます。 流石、岡本太郎氏の御両親。爆発してますね。
@nagi_reading
@nagi_reading 2 ай бұрын
コメント、ありがとうございます!!
@nyatta
@nyatta 2 ай бұрын
朗読ありがとうございます。(4/6)では?
@nagi_reading
@nagi_reading 2 ай бұрын
ありがとうございます。また、まちがえてますね。すみません。。
@nyatta
@nyatta 2 ай бұрын
朗読ありがとうございます。 ”久生”十蘭ですよ。
@nagi_reading
@nagi_reading 2 ай бұрын
ご指摘、ありがとうございます。確かに、誤字ですね。
@nyatta
@nyatta 2 ай бұрын
心地良い朗読ありがとうございます。 真に下司のそしり食いですね。お笑い芸人の分際でエラそうに。
@nagi_reading
@nagi_reading 2 ай бұрын
コメント、ありがとうございます!
@masataka9652
@masataka9652 7 ай бұрын
何時も、0時になったら始まるから、夜中に起きってしまったら朗読を聞いてしまう。 そして、また寝てしまう。夜の朗読で寝るのが癖になってしまいます。
@nagi_reading
@nagi_reading 7 ай бұрын
ありがとうございます! お好きな時に聞いてくださいませ。
@user-zm7dr8wk7o
@user-zm7dr8wk7o 7 ай бұрын
読書感想文というものは、むずかしいもんであると思う…。 考えるに、作品のことをその全体においてだらだら感想して述懐することは、駄目なのであった。自分の言いたいことは、一点にしぼるのがよさそうであるように思われる。 してみれば、私ならばやはりひとこと言うなら、ラストのくだりであります。 太宰は、あそこの賀正の葉書の箇所をいちばん書きたかったのではなかろうか? 私は文学に関してはもとより無智無学の人物である…。 「 もっと悪人におなり 」、か…
@nagi_reading
@nagi_reading 7 ай бұрын
コメントありがとうございます。そして、聞いていただきありがとうございます! 私も文学とは遠い人間で、感想文も苦手で、朗読を始めて初めて出会う作品ばかりです。。 読んでいくうちに、心にしみるものがたまっていけばいいかなぁ、と思っています。。。
@masataka9652
@masataka9652 7 ай бұрын
スイマセン。最近パソコンの調子がオカシクて!?アップデートして下さいから!? コメントとか書き込みとか全くできなくて?やっと治りました。また、コメント申し訳ないぐらいにします。
@nagi_reading
@nagi_reading 7 ай бұрын
パソコン、大変でしたね。直ってよかったです。 今後もよろしくお願いします。
@masataka9652
@masataka9652 8 ай бұрын
お疲れ様です。最近地震と、飛行機の事故ばっかり見てました。 自衛隊は幹線道路をかなり、復旧しているそうで、そんなネットばかり見てました。 テレビ番組ではなく、ネットですが。時々、見つかれしてしまいます。 そんな時、朗読を見ていて聞いていると、ほ~っとします。朗読おつかれ~です。
@nagi_reading
@nagi_reading 8 ай бұрын
疲れてしまうけど、つい見てしまう報道系の番組。。朗読を聞いて、ほ~っとしていただけるなら、幸せです。ありがとうございます。
@masataka9652
@masataka9652 8 ай бұрын
正月から大変でしたね。能登の地震や、航空機の衝突。 朗読は、そんな緊急の出来事に、ほ~っと一息入れれる時間ですね。毎日の朗読、お疲れ様です。
@nagi_reading
@nagi_reading 8 ай бұрын
テレビを見ていると、疲弊してしまいますね。そんなときに、朗読を聞いていただけるなんて、うれしい限りです。ありがとうございます。
@masataka9652
@masataka9652 8 ай бұрын
謹賀新年。あけましておめでとうございます。早速年度替わりの、0時からの朗読、始めましたね。
@nagi_reading
@nagi_reading 8 ай бұрын
あけましておめでとうございます! 今年も毎日上げて行きますので、よろしくお願いします。
@masataka9652
@masataka9652 8 ай бұрын
年末にも、おつかれ~。年始もよろしくお願いします。
@nagi_reading
@nagi_reading 8 ай бұрын
おつかれさまです。年末らしいお話を上げてみました。元日からも、新年のお話を上げますので、また聞いてくださいね。よいお年をお迎えください。
@masataka9652
@masataka9652 8 ай бұрын
@@nagi_reading 元旦から、読み上げですか。いつも0時ぐらいに、始まるから日にちが代わってからの読み上げ。聞けない時は後日でも聞きますから。おつかれ~
@masataka9652
@masataka9652 8 ай бұрын
芥川竜之介は短編多いし、考えさせられる、う~んとうなる小説多いですね。 羅生門は、芥川だったかな?忘れた。スイマセン。
@nagi_reading
@nagi_reading 8 ай бұрын
コメント、ありがとうございます!確かに、芥川はいいお話の短編が多いですね。まだまだ読んでないお話もあるので、これからも読んでいきますね。
@masataka9652
@masataka9652 9 ай бұрын
宮沢賢治の、注文の多い料理店、は超有名短編ですね。 若いころ、芥川?宮沢賢治?どっちも、素晴らしい短編小説書いてるから芥川?と、思ってました。
@nagi_reading
@nagi_reading 9 ай бұрын
コメント、ありがとうございます! 芥川も、賢治も、素敵なお話たくさん書いてますものね。
@masataka9652
@masataka9652 11 ай бұрын
夜遅く、聞いていると眠りが誘われます。
@nagi_reading
@nagi_reading 11 ай бұрын
ありがとうございます!私も、自分の朗読を聞きながら寝たりします。これからも睡眠のお供によろしくお願いします。
@user-zm7dr8wk7o
@user-zm7dr8wk7o 11 ай бұрын
朗読…ありがとうございます。全然久しぶりにこの作品、聞きました。 私、当年とって54歳です。 ちなみに私にも、この様な話( 盗賊 )を、想起させる学生時代がありました。 …もっとも私は太宰氏のような立派な“ 東京帝国大学 ”の学生ではありませんでしたけど… ともあれ、私は大学入学以来…その後2年間、大学に全く通学していませんでした。したがって取得単位もゼロです。 …今さらそんなことを言いたいわけではありません…。 …ただその時の心情( 間に合わせの答案を書きに学校へ行く )、つまりニヒリズムとも、たちの悪い居直りともいえそうな心情には、たしかにひどく苦い憶えがあるのです… しかしあの憂愁は…本当に空腹?
@nagi_reading
@nagi_reading 11 ай бұрын
コメント、ありがとうございます。 太宰と共感できる学生時代の思い出をお持ちなのですね。ちょっと、うらやましい。。(平凡な学生生活を送ってしまった私としては) そして、憂愁と空腹、若かった太宰にとっては似ていたのかもしれませんね。 これからも、太宰も読んでいきますので、よろしくお願いいたします。
@masataka9652
@masataka9652 11 ай бұрын
初めて、弟子。を聞きました。本自身も知らなかった!?教えて下さって、ありがとうございます。
@nagi_reading
@nagi_reading 11 ай бұрын
コメントありがとうございます! わたしも読みながら、日々勉強です。大人になってから、知らないことを知るのも、いいものですね。
@masataka9652
@masataka9652 11 ай бұрын
宮川賢治の全文朗読。宮沢賢治と言えば銀河鉄道の夜? 以外と昔の小説家って、短編が多いですね。短編でも考えさせられる短編。 それを、長編の映画など、中編の映画にしたり、アニメにしたり、 記憶、頭に残ったり、それを自分的に音楽にしたり。何だか見たような、 聞いたような!?そんな短編が多いですね。それと(なぎ)さんの絵がイイですね。
@nagi_reading
@nagi_reading 11 ай бұрын
コメント、ありがとうございます。有名でない作品でも、情景が浮かんだり、考えさせられたり、いい作品がたくさんありますね。読みながら、勉強してる感じです。宮沢賢治の作品を読むと、岩手・花巻に行ってみたくなります。
@masataka9652
@masataka9652 11 ай бұрын
芥川龍之介って、短編小説が多いですね。でも、短編でも、う~ん考えさせる、そういう意味。 深いな~って思う短編が多いですね。芥川龍之介は、短めの短編は朗読にピッタリですね。 絵も芥川龍之介に似てますね。右の、なぎ、の印鑑もいいですね。
@nagi_reading
@nagi_reading 11 ай бұрын
コメント、ありがとうございます!なぎの絵まで褒めていただき、恐れ入ります。。。芥川龍之介、考えさせられる短編、たくさんありますね。これからもぼちぼち読んでいこうと思います。
@masataka9652
@masataka9652 Жыл бұрын
短いけど、朗読って、ユーチューブでのオアシスですね。
@nagi_reading
@nagi_reading Жыл бұрын
ありがとうございます!少しでも多くの人のオアシスになれるよう、頑張ります。
@masataka9652
@masataka9652 Жыл бұрын
いいユーチューブになってますね。今までない感じの、朗読読み。 中々読み聞かせのネットが無いので、新鮮です。芥川龍之介のピアノ。短めですか!? たまたま、目について、うん??っと見てみると全文朗読。意外と面白い試みですね。
@nagi_reading
@nagi_reading Жыл бұрын
ありがとうございます。お褒めのお言葉、励みになります。【短め】は、10分以内の作品に付けています。これからも、毎日続けていきますので、よろしくお願いします。
@masataka9652
@masataka9652 Жыл бұрын
@@nagi_reading おつかれ~頑張って下さい。
@nagi_reading
@nagi_reading Жыл бұрын
ありがとうございます!
@ajtdmw321
@ajtdmw321 Жыл бұрын
@Miguel-sn8ld
@Miguel-sn8ld Жыл бұрын
朗読ありがとうございます
@nagi_reading
@nagi_reading Жыл бұрын
コメント、ありがとうございます!
@nagi_reading
@nagi_reading 2 жыл бұрын
途中、声が重なってる・・ごめんね。
@nagi_reading
@nagi_reading 2 жыл бұрын
このお話の中には、現在適当ではない表現が出てきますが、原作を尊重し、そのまま朗読しました。 草鞋(わらじ)=わらで編んだ、ぞうりに似たはきもの 行灯=木や竹の枠に紙を張り、中に油皿をおいて火をともした昔の照明具 穀屋=米屋豆などを売る店 区長=岩鍋新田は1889(明治22)年から1945(昭和20)年まで半田第一区という行政区にあった。区長は選挙で選ばれ、区の行政、運営にあたった。 尋常科=1886(明治19)年の「小学校令」で小学校を尋常・高等の各二段階、修業年限各4年とし、尋常小学校四年を義務教育とした。1907(明治40)年の「小学校令改正」では尋常小学校六年(義務教育)、高等小学校二年または三年とし、1941(昭和16)年の「国民学校令」による改正まで実施された)
@nagi_reading
@nagi_reading 2 жыл бұрын
たびたびすみません。チャンネル登録していただくためのなぎの顔(アイコン)が、設定したより早く出てしまい、修正できませんでした。
@nagi_reading
@nagi_reading 2 жыл бұрын
生い立ちの歌 中原中也 Ⅰ 幼年時 私の上に降る雪は 真綿のようでありました 少年時 私の上に降る雪は 霙のようでありました 十七‐十九 私の上に降る雪は 霰のように散りました 二十‐二十二 私の上に降る雪は 雹であるかと思われた 二十三 私の上に降る雪は ひどい吹雪とみえました 二十四 私の上に降る雪は いとしめやかになりました…… Ⅱ 私の上に降る雪は 花びらのようにふってきます 薪の燃える音もして 凍るみ空の黝むころ 私の上に降る雪は いとなよびかになつかしく 手を差伸べて降りました 私の上に降る雪は 熱い額に落ちもくる 涙のようでありました 私の上に降る雪に いとねんごろに感謝して、神様に 長生きしたいと祈りました 私の上に降る雪は いと貞潔でありました
@nagi_reading
@nagi_reading 2 жыл бұрын
智恵子抄 高村光太郎 樹下の二人 ――みちのくの安達が原の二本松松の根かたに人立てる見ゆ―― あれが、安達太良山 あの光るのが阿武隈川。 かうやつて言葉すくなに坐つてゐると、 うつとりねむるやうな頭の中に、 ただ遠い世の松風ばかりが薄みどりに吹き渡ります。 この大きな冬のはじめの野山の中に、 あなたと二人静かに燃えて手を組んでゐるよろこびを、 下を見てゐるあの白い雲にかくすのは止しませう。 あなたは不思議な仙丹を魂の壺にくゆらせて、 ああ、何といふ幽妙な愛の海ぞこに人を誘ふことか、 ふたり一緒に歩いた十年の季節の展望は、 ただあなたの中に女人の無限を見せるばかり。
@nagi_reading
@nagi_reading 2 жыл бұрын
朗読する渚(なぎ)です。タイトルに、肝心の題名が入っていなかったので追加しました。
@nagi_reading
@nagi_reading 2 жыл бұрын
今回初めて、坂口安吾の作品を読みました。なかなか面白い文章だと感じました。坂口安吾のほかの作品で、おすすめがあれば、ぜひ教えてください。(あまり長編だと、朗読できませんが)
@nagi_reading
@nagi_reading 2 жыл бұрын
非凡人と凡人の遺書 岡本一平  牛や魚は死ぬ時遺言しない。鳥や松の木も死ぬ時遺言しない。遺言するのは人間だけである。死ぬ時自分以外に他あるを顧みて其処に何か責任上の一言を遺して置く。これ人間が万物の霊長たる由縁であらう。  毎年正月元日に筆を改めて遺言状を書き直すといふ用意周到の人が僕の知つてる範囲で二人ある。然も二人共可成り永生きの方なので何通書き直したか判らぬ。年々そう書き直す必要があるだらうかと訊いたら一人は『葬儀車だつて年々進化するだらう?』一人は『年々遺言状の思想が旧くなつて行くから』といつた。二人共遺言状を書く真剣さを用ゐて自分の魂をあらため験るのだつた。中々ずるい。
@nagi_reading
@nagi_reading 2 жыл бұрын
陰翳礼讃 谷崎潤一郎  今日、普請道楽の人が純日本風の家屋を建てて住まおうとすると、電気やガスや水道等の取附け方に苦心を払い、何とかしてそれらの施設が日本座敷と調和するように工夫を凝らす風があるのは、自分で家を建てた経験のない者でも、待合料理屋旅館等の座敷へ這入ってみれば常に気が付くことであろう。独りよがりの茶人などが科学文明の恩沢を度外視して、辺鄙な田舎にでも草庵を営むなら格別、いやしくも相当の家族を擁して都会に住居する以上、いくら日本風にするからと云って、近代生活に必要な煖房や照明や衛生の設備を斥ける訳には行かない。で、凝り性の人は電話一つ取り附けるにも頭を悩まして、梯子段の裏とか、廊下の隅とか、出来るだけ目障りにならない場所に持って行く。その他庭の電線は地下線にし、部屋のスイッチは押入れや地袋の中に隠し、コードはの屏風の蔭を這わす等、いろ/\考えた揚句、中には神経質に作為をし過ぎて、却ってうるさく感ぜられるような場合もある。
@nagi_reading
@nagi_reading 2 жыл бұрын
古典 桃太郎 滝沢馬琴  わらべのものがたりに、昔おいたる夫婦ありけり。  をとこはたきぎを山にこり、つまは流れにそうて、きぬをあらふに、桃の実一つ流れてきつ。  たずさへかへりて、をとこにしめすに、その桃おのずからわれて、うちにおのこごありけり。  このおいたる夫婦、もとより子なし、この桃の中なるちごを見て、喜びてこれをはぐくみ、その名を桃太郎とよふほどに、そのちご、たちまち大きになりつつ、ちから人にすぐれて、ひとさとに、敵なし。  ある日その母に、きびだんごといふものあまた、ととのへて給はれといふ。  母、その故を問へば、鬼が嶋におもむきて、たからを得んためなりといらふ。  父聞きて、いとたけしとほめて、そのいふままにす。  たんごすでにととのへしかば、桃太郎これをこしにつけ、父母にじしわかれて、ゆくゆくみちに犬あり、そのこしなるきびだんごを見て、これ一つたまはらば、徒者たらんといいふに、取らしつ。  また、さるときじとにあへり。  みな、きびだんごをあたへて徒者とし、つひに鬼が嶋にいたり、そのいはむろをせめて鬼王をとりこにす。  おにども、その敵しがたきを見て、三つのたからもの、かくしみの、かくれがさ、うちでのこづちをたてまつりて、主の命ごひせり。  かくて桃太郎、そのたからを受けて鬼王をゆるし、犬、さる、きじをいて、ふるさとにかへり、思ふままにとみ栄えて、父母をやすらかに養ひしといふ事。
@nagi_reading
@nagi_reading 2 жыл бұрын
宮本武蔵 地の巻 吉川英治 鈴  ――どうなるものか、この天地の大きな動きが。  もう人間の個々の振舞いなどは、秋かぜの中の一片の木の葉でしかない。なるようになッてしまえ。  は、そう思った。  と屍のあいだにあって、彼も一個の屍かのように横たわったまま、そう観念していたのである。 「――今、動いてみたッて、仕方がない」  けれど、実は、体力そのものが、もうどうにも動けなかったのである。武蔵自身は、気づいていないらしいが、体のどこかに、二つ三つ、が入っているに違いなかった。  ゆうべ。――もっと詳しくいえば、慶長五年の九月十四日のから明け方にかけて、この関ヶ原地方へ、土砂ぶりに大雨を落した空は、今日のすぎになっても、まだ低い密雲をかなかった。そしての背や、の連山を去来するその黒い迷雲から時々、サアーッと四里四方にもわたる白雨が激戦の跡を洗ってゆく。
@nagi_reading
@nagi_reading 2 жыл бұрын
こころ 夏目漱石 一  私はその人を常に先生と呼んでいた。だからここでもただ先生と書くだけで本名は打ち明けない。これは世間をかる遠慮というよりも、その方が私にとって自然だからである。私はその人の記憶を呼び起すごとに、すぐ「先生」といいたくなる。筆をっても心持は同じ事である。よそよそしい頭文字などはとても使う気にならない。  私が先生と知り合いになったのは鎌倉である。その時私はまだ若々しい書生であった。暑中休暇を利用して海水浴に行った友達からぜひ来いというはがきを受け取ったので、私は多少の金をして、出掛ける事にした。私は金の工面に、二三日を費やした。ところが私が鎌倉に着いて三日とたないうちに、私を呼び寄せた友達は、急に国元から帰れという電報を受け取った。電報には母が病気だからと断ってあったけれども友達はそれを信じなかった。友達はかねてから国元にいる親たちにまない結婚をいられていた。彼は現代の習慣からいうと結婚するにはあまり年が若過ぎた。それにの当人が気に入らなかった。それで夏休みに当然帰るべきところを、わざと避けて東京の近くで遊んでいたのである。
@nagi_reading
@nagi_reading 2 жыл бұрын
ペンギン 北原白秋 見知らぬ海と空とに 鳴いている、鳴いている、ペンギン、 なにを鳴くのか、ペンギン、 光と影の申子。 冷たい氷のうえから 歌うてくるペンギン、 なにを慕うのか、ペンギン、 寂しい空のこころに。 おそれも悔いもない気ぶりで、 あるいてくる、ペンギン、 なにが楽しいのか、ペンギン、 大勢あつまって、のんきに。 紺と白との燕尾服(えんび)で、 ものおもうペンギン、 なにが悲しいのか、小意気な わかい紳士のペンギン。 さらさら悲しい様子も、 うれしそうにもない、ペンギン、 なにを慕うのか、ペンギン、 幽かな空の光に。
@nagi_reading
@nagi_reading 2 жыл бұрын
雪 太郎を眠らせ、太郎の屋根に雪ふりつむ。 次郎を眠らせ、次郎の屋根に雪ふりつむ。 乳母車 母よ―― 淡くかなしきもののふるなり 紫陽花いろのもののふるなり はてしなき並樹のかげを そうそうと風のふくなり 時はたそがれ 母よ 私の乳母車を押せ 泣きぬれる夕陽にむかつて 轔々と私の乳母車を押せ 赤い総ある天鵞絨の帽子を つめたき額にかむらせよ 旅いそぐ鳥の列にも 季節は空を渡るなり 淡くかなしきもののふる 紫陽花いろのもののふる道 母よ 私は知つてゐる この道は遠く遠くはてしない道
@nagi_reading
@nagi_reading 2 жыл бұрын
ふらんす物語 永井荷風  ローン河畔の低地を覆い尽す冬の霧に包まれて、日頃は眠れる如くに寂としたリヨンの街も、今日はさすがにゆく年の夜とて、夕暮近くからは殊更にさまざまな町の物音、さながら夜半の嵐夕の潮の吠るがように、薄暗い五階目の閉切った吾が部屋の窓まで響いて来るのであった。  暖炉の傍の椅子から立って窓から見下すと、霧立ちこめる町の面は、祭の夜に異ならぬ燈火のきらめき、往来の人の影。  ああ、今年も今夜かぎり、去って再び還っては来ぬのかと思うと、何となく悲しいような、そして俄かに心の急き立つような気になる。  再び椅子に落ちて自分はどうしてこの夜を送ろうか。どうして来るべき年を迎えようかと考え始めた。その時戸を叩いて下宿屋の下女が、  ―御食事ができました、モッシュー。  自分は喫っていた巻煙草を暖炉の中に投げ捨ててそのまま食堂へ下りて行った。
@nagi_reading
@nagi_reading 2 жыл бұрын
どんぐりと山猫 宮沢賢治  おかしなはがきが、ある土曜日の夕がた、一郎のうちにきました。 かねた一郎さま 九月十九日 あなたは、ごきげんよろしいほで、けっこです。 あした、めんどなさいばんしますから、おいで んなさい。とびどぐもたないでくなさい。                 山ねこ 拝  こんなのです。字はまるでへたで、墨もがさがさして指につくくらいでした。けれども一郎はうれしくてうれしくてたまりませんでした。はがきをそっと学校のかばんにしまって、うちじゅうとんだりはねたりしました。  ねどこにもぐってからも、山猫のにゃあとした顔や、そのめんどうだという裁判のけしきなどを考えて、おそくまでねむりませんでした。  けれども、一郎がをさましたときは、もうすっかり明るくなっていました。
@nagi_reading
@nagi_reading 2 жыл бұрын
へんぽんと ひるがへり かけり 胡蝶は そらにまひのぼる ゆくてさだめし ゆえならず ゆくて かがやく ゆえならず ただひたすらに かけりゆく ああ ましろき 胡蝶 みずや みずや ああ かけりゆく ゆくてもしらず とももあらず ひとすぢに ひとすぢに あくがれの ほそくふるう 銀絲をあへぐ
@nagi_reading
@nagi_reading 2 жыл бұрын
学問のすすめ 福沢諭吉 「天は人の上に人を造らず人の下に人を造らず」と言えり。されば天より人を生ずるには、万人は万人みな同じ位にして、生まれながら貴賤上下の差別なく、万物の霊たる身と心との働きをもって天地の間にあるよろずの物をとり、もって衣食住の用を達し、自由自在、互いに人の妨げをなさずしておのおの安楽にこの世を渡らしめ給うの趣意なり。されども今、広くこの人間世界を見渡すに、かしこき人あり、おろかなる人あり、貧しきもあり、富めるもあり、貴人もあり、下人もありて、その有様雲ととの相違あるに似たるはなんぞや。その次第はなはだ明らかなり。実語教に、「人学ばざれば智なし、智なき者は愚人なり」とあり。されば賢人と愚人との別は学ぶと学ばざるとによりてできるものなり。
@nagi_reading
@nagi_reading 2 жыл бұрын
走れメロス 太宰治 メロスは激怒した。必ず、かのの王を除かなければならぬと決意した。メロスには政治がわからぬ。メロスは、村の牧人である。笛を吹き、羊と遊んで暮して来た。けれども邪悪に対しては、人一倍に敏感であった。きょう未明メロスは村を出発し、野を越え山越え、十里はなれたのシラクスの市にやって来た。メロスには父も、母も無い。女房も無い。十六の、内気な妹と二人暮しだ。この妹は、村の或る律気な一牧人を、近々、として迎える事になっていた。結婚式も間近かなのである。メロスは、それゆえ、花嫁の衣裳やら祝宴の御馳走やらを買いに、はるばる市にやって来たのだ。先ず、その品々を買い集め、それから都の大路をぶらぶら歩いた。メロスには竹馬の友があった。セリヌンティウスである。今は此のシラクスの市で、石工をしている。その友を、これから訪ねてみるつもりなのだ。久しく逢わなかったのだから、訪ねて行くのが楽しみである。
@nagi_reading
@nagi_reading 2 жыл бұрын
坊っちゃん 夏目漱石  親譲りの無鉄砲で小供の時から損ばかりしている。小学校に居る時分学校の二階から飛び降りて一週間ほど腰を抜かした事がある。なぜそんなをしたと聞く人があるかも知れぬ。別段深い理由でもない。新築の二階から首を出していたら、同級生の一人が冗談に、いくら威張っても、そこから飛び降りる事は出来まい。弱虫やーい。と囃したからである。小使に負ぶさって帰って来た時、おやじが大きな眼をして二階ぐらいから飛び降りて腰を抜かす奴があるかと云ったから、この次は抜かさずに飛んで見せますと答えた。  親類のものから西洋製のナイフを貰って奇麗な刃を日に翳して、友達に見せていたら、一人が光る事は光るが切れそうもないと云った。切れぬ事があるか、何でも切ってみせると受け合った。そんなら君の指を切ってみろと注文したから、何だ指ぐらいこの通りだと右の手の親指のをはすに切りんだ。ナイフが小さいのと、親指の骨が堅かったので、今だに親指は手に付いている。しかし傷痕は死ぬまで消えぬ。