稲荷山勇獅子保存会

長野県千曲市にある「稲荷山」は商業の町として幕末より明治、大正と長野県の北信地方で第一に栄えた町であり、貴重な文化財が数多く残されています。その中でも稲荷山祇園祭は長野、小諸と共に信州の三大祇園祭と称せられ、天王神輿は県下で随一というにふさわしいものです。
そして郷土芸能文化財として伝承されている勇獅子は大正6年（1917年）治田神社に今の神明造の拝殿ができたことを祝して、本八日町、東町の有志によって造られた。現在の獅子頭は四代目。令和5年に作られたものです。
幌に繋がる屋台の形式は、素朴ではあるが、せり上がり式で屋根の高さが上下に調整できる仕組みになっている。上段で舞妓が舞を、下段では若者達による「しちょうめ」「ねむり」「くるい」「せりあげ」等、独特なリズムによる賑やかなお囃子が繰り広げられる。本祭では町内を巡演、乱舞する姿を暴れ獅子の異名を取り練り歩き悪魔払いの意で各家々へ念願が込められています。
稲荷山は長い伝統の町でもあります。その夏祭りにふさわしい郷土芸能文化財として後世に継承していくために保存会では日々一生懸命努めています。