【アフリカ・DX】AIはアフリカに何をもたらすのか（第21回ナレッジフォーラム）【JICA緒方研究所：セミナー】

【JICA緒方研究所・国際連合大学共催ナレッジフォーラム：AIはアフリカに何をもたらすのか】　
人工知能（AI）技術の進歩は、保健医療、教育から経済、ガバナンスに至るまで、さまざまな分野で恩恵をもたらすと期待されています。その一方で、AIが生み出す偽・誤情報、一部のテクノロジー企業による技術やアルゴリズムの独占、AI技術の軍事利用、監視システムや個人情報の悪用などのリスクも存在します。また、AI利用の進展に伴い、国家間や国内における既存のデジタル格差が深刻化することも危惧されています。例えば、AIがもたらす雇用への影響が懸念されている他、規制の少ない国におけるAI学習データ取得のためのプライバシー侵害といった問題も生じています。
このような状況を踏まえ、AIがもたらすリスクに対応するためのガバナンスの枠組みや原則についての議論が進んでいます。AIガバナンスの国際的な議論において重要な役割を担う国連は、国連総会においてAI使用における人権の尊重および保護に関する初の決議案を採択しました。また、G7広島サミットの成果として「広島AIプロセス」が日本政府主導のもと合意されました。その他、 経済協力開発機構（Organisation for Economic Co-operation and Development: OECD）でもAIに関する原則が採択されており、加盟国で適用されています。このように、AIのリスクを軽減し、その恩恵を最大限に引き出すことへの関心が高まる中、世界初の包括的なAI規制法がEUで成立しました。
しかし、こうした取り組みは先進国主導で進められており、開発途上国や多様なステークホルダーの声を十分に反映していないという批判もあります。リスクを管理し、技術の開発・活用を進め、公平な利益の配分を実現できるよう、開発途上国も含めた国際社会全体でAIに関するルールづくりを進めることが求められています。
本フォーラムでは、デジタルネイティブの若者世代が多数派を占めるアフリカにおけるAIの課題と可能性に焦点を置きます。2050年に世界の人口の4分の１を占めると予測され、国際社会での存在感を増すアフリカでも、AI技術の進歩による影響が大きくなっており、AIに関する戦略・政策についての議論が活発化しています。このような背景を踏まえ、南アフリカ出身のチリツィ・マルワラ国際連合大学学長 兼 国際連合事務次長が、AI技術の進歩がアフリカの開発に与えるリスクと可能性について講演しました。続いて、JICA緒方貞子平和開発研究所の峯陽一研究所長およびJICAガバナンス・平和構築部STI・DX室の山中敦之国際協力専門員との対話により、アフリカがAI技術の利益を享受し、人間の安全保障と質の高い成長を実現するために何が必要か、議論を深めました。
00:45　開会あいさつ
宮原　千絵　JICA緒方研究所　副所長
04:38　基調講演「AIはアフリカに何をもたらすのか」
チリツィ・マルワラ　国際連合大学　学長　兼　国際連合事務次長
30:11　ディスカッション、質疑応答
【モデレーター】
宮原　千絵　JICA緒方研究所　副所長
【ディスカッサント】
チリツィ・マルワラ　国際連合大学　学長　兼　国際連合事務次長
峯　陽一　JICA緒方研究所　所長　
山中 敦之　JICAガバナンス・平和構築部 STI・DX室　国際協力専門員
01:24:16　閉会あいさつ
白波瀬　佐和子　国際連合大学　上級副学長 兼　国際連合事務次長補
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