不変である神【聖書のかみさま、どんな方？】

[@wangsungjun1544]

ァーメン。感謝致します。

[@MrEjidorie]

ノンクリスチャンの者です。02「神様のご性質は変わらない。」との事ですが、私には旧約聖書に表されている神とイエスが提示した神とはどうも同じようには思えないのです。私は旧約聖書を隅々まで読んではいませんが、私の知っている限りにおいて「ノアの箱舟」「ソドムとゴモラ」「カナン人への聖絶」等で神は従わない者に対して残酷な仕打ちをされます。また「ヨブ記」では神はサタンと取引をして、義人であるヨブに塗炭の苦しみを与えます。一方イエスが提示した神は、「わたしは正しい人を招くためではなく、罪人を招くために来たのです。」（マタイによる福音書第9章第13節）とあるように、罪人に対しても無償の愛を注ぐ神です。これはどのように解釈すればいいのでしょうか？

[@sakurafukuin]

ご質問ありがとうございます。 質問者様はノンクリスチャンの方ということで、ノンクリスチャンの方にご視聴頂きたいと思っておりましたので、ご質問頂けた事を大変嬉しく思っています。さて、頂戴したご質問についてですが、少々お答えするのが難しいことではあります。長文になりますが、お付き合い下さい。 質問者様としては、「旧約聖書」と「新約聖書」に示されている神は同じように感じられないという事かと思いますが、それについては度々そのようなご指摘を受けることがあります。実はクリスチャンの中にも旧約は「厳しい神」、新約は「愛の神」「憐み深い神」と分けて考えてしまっている人もいるくらいです。ただ、私は「神様のご性質は変わらない」ということを改めて申し上げたいと思います。 まず、「ご性質」というのは「愛」「あわれみ」「正義」「聖さ」など（今後の動画でも出てきます）の神様が持っておられるご性質のことを言います。それは、旧約の時代も新約の時代も変わっていません。質問者様が言われるように、旧約聖書には「ノアの箱舟」「ソドムとゴモラ」「聖絶」など、神様の厳しい面が出てきます。ただし、それは人間の罪に対してのことでありまして、神様がむやみやたらに人を滅ぼしているわけではありません。神様は聖なる神様ですから、人間の罪を見過ごすことはおできになりません。ただ、同時に、怒るのに遅く、あわれみ深いお方なので、忍耐してくださいます。例えば、カナンの聖絶に関しましても、実は創世記15章12節から21節ですでに言及があります。特に、15章16節において「アモリ人の咎が、その時まで満ちることがない」とありまして、神様がカナンの地の状況について忍耐しておられ、約400年忍耐しておられることがわかります。神様は聖なるお方であり、正義の神ですから、罪をそのままにしていますと、さばきをなさいます。そして、それは、新約聖書においても示されています。代表例は、使徒の働き５章１−１１節です。そこにはアナニアとサッピラという夫婦が登場しますが、神を欺いた罪が問われ、その場で死ぬというショッキングな出来事が起こりました。これは、聖なる神を欺くことの罪の大きさについて初代教会に示す目的があったのかもしれませんが、神様の罪に対する厳しさが表されている点で、旧約に示されている神と新約に示されている神に違いがないと思います。 そして、そもそもですが、旧約聖書は年代がほぼ確定しているものですと、アブラハムが紀元前2000年頃で、旧約聖書の最後のネヘミヤやマラキといった人物は紀元前430年頃です。つまり、旧約聖書が扱っている年代は約1500年以上です。また、新約聖書についてはイエス様の誕生についての記述の後は、歴史的なことを扱っているのは紀元30年頃から使徒の働きの終わりが紀元50年の後半か60年前後でしょうから、新約聖書が扱っている幅がそもそも短いのです（黙示録は１世紀終わり頃に書かれていますが、歴史的なことを扱っていないので除外しています）。その点で、神様の罪に対する厳しいご性質が多く表されていることも、旧約聖書においてはやむを得ないかと思いつつ、新約聖書にも変わらずそのご性質が表されています。そして、これは「神の愛やあわれみ」についても同じです。旧約聖書において、イスラエルの民は「神の民」でありながら、神の戒めに逆らい通しました。そのため、アッシリア捕囚、バビロン捕囚を経験することになりました。しかし、それでもなお、神はご自身に逆らい続けるイスラエルを滅ぼし尽くす事なく、メシアをお送りくださり、救いの道を開いてくださいました。旧約聖書にも神のあわれみは流れ続けていますし、それは新約聖書にも通じています。その点において、私は「神のご性質は変わらない」とお伝えしている次第です。 長々と書きましたが、何かご不明な点がありましたら、お手数ですが再度ご質問頂けますでしょうか。質問者様は熱心に聖書を読んでいることがわかりました。しかも「聖絶」という言葉を使われたということは、新改訳聖書をご使用しておられるのでしょうか。もうすでに教会に行っておられるのでしたら良いのですが、ぜひお近くのキリスト教会に足を運んで頂ければ幸いです。これからもご視聴くださり、なんなりとコメントにてご質問下さいませ。感謝しつつ。大髙

[@MrEjidorie]

@@sakurafukuin 私のようなものに丁重にお返事を下さり恐縮です。大学生の頃から異文化に興味を持ち、英語の勉強をしてまいりました。そのような中、辞書を読むと聖書からの引用がとても多い事に気が付きました。つまり英語圏の人々にとってキリスト教或いはユダヤ教がとても重要なものであると思うようになりました。と同時にキリスト教などの一神教は、日本の文化とは真逆に位置に存在するものではないかと言う考えに至りました。すなわち日本人は国際理解と言うとすぐに英語の習得を考えますが、キリスト教を理解する事も日本人としては大切な事だと思います。 日本の文化はユダヤ教・キリスト教とは真逆にあると申しました。538年に百済から日本に文教が伝来しました。しかし日本にはすでに日本の土着宗教である神道が存在しました。その教えは全く仏教とは違うものであり、宗教の違いをめぐって曽我氏と物部氏の間に対立が生じました。これを憂いた聖徳太子（最近実在しなかったという説もあります。）が「和を以て貴しとなす。」という事で「神仏混合」と言う一神教を信じる人には考えられない離れ業をしました。お寺の境内に鳥居が立てられている光景が今でもよく見られます。しかしこれによって日本の歴史上宗教戦争と言うものはほとんど存在しません。教義の解釈をめぐって血みどろの争いもありません。新生児を神社でお宮参りをし、結婚式は教会でそして葬式は仏式でとよく日本人の宗教観の節操のなさを揶揄する際によくこういった表現が使われます。クリスマスを祝ってわずか一週間で数千万人の日本人が神社仏閣に初もうでをします。イスラム教徒のメッカ巡礼をはるかに上回るこのエネルギーは、日本人が決して信仰心が欠けているわけではないと思います。但し日本人が信仰しているのはユダヤ教やキリスト教のような「啓示宗教」ではなく、これと言った厳密な教義のない「自然宗教」です。だから日本人は教義・教学ではなくそこに偉大なものを感じるとそこに「神なるもの」を見ます。自然と四季の変化が豊かな日本ではこのようにして「八百万の神」と言う概念が生まれたのかもしれません。 私は厳密な意味で無神論者は存在しないと考えます。人間は直感的に或いは霊的に「神なるもの」を潜在意識上で感じていると思います。例えば無神論者の共産党員がいたとします。もし自分の子供が交通事故で瀕死の重傷を負ったと聞いたら、彼は病院に向かう途中で必死になって子供が助かる事を祈るはずです。でも何に対して祈ったのでしょうか？選挙の投票日が近付けばきっと自分が当選する事を祈るでしょう。でも誰に対して祈ったのでしょうか？我々人間は誰もが神を意識しています。宇宙の起源は約138億年前にビッグバンが起きた時だというのが今日の定説です。でも無の状態からビッグバンが生じ、今の宇宙が生まれる事はあり得ません。多くの天文学者や宇宙物理学者がそこに何か「創造主」のような意志や強烈なエネルギーがなければビッグバンは起こりえず、今日の宇宙は存在しえないというのが共通認識のようです。つまり仮説として神は存在するというのが多くの学者の共通認識のようです。無神論者を自認していたアインシュタインも「宇宙のあまりにも精巧な動きを観察していると、とても宇宙が偶然の産物として存在しているようには思えない。私はそこに何か意志のようなものを感じる。」と言っています。 人間はその神を自分達の認知の中で定義しようとします。旧約聖書に出てくる「バベルの塔」では天の神の領域に達するような高い塔と建てようとしました。神やその人間の傲慢さを怒り、それまで共通の言語を話していた人々の言葉をバラバラにしてコミュニケーションできなくしてしまいました。私はこの「バベルの塔」こそが宗教の教義・教学ではないかと思います。イエスと救世主として崇める者同士がその解釈をめぐって長年に渡って殺し合い、今もクリスチャン同士が対立しています。「あなたがたは、わたしが平和をこの地上にもたらすためにやってきたと思っているのか。あなたがたに言っておく。そうではない。むしろ分裂である。」（ルカによる福音書第１２章第５１節）「地上に平和をもたらすために、わたしがきたと思うな。平和ではなく、つるぎを投げ込むためにきたのである。」（マタイによる福音書第１０章第３４節）私は個人的にこれはイエスの言葉とは信じていませんが、宗教の負の部分をよく表していると思います。幸い日本では「神仏混合」が取り入れられてから、こういった意味での対立は余り存在しません。 最後になりましたがイエスがなしえた最大の貢献の一つは、ユダヤの人々を神の横暴と律法の不条理から救い出したことにあると思います。ユダヤの人々はほとんどナンセンスとも思える律法を守っているにも拘らず、なぜ貧困と病そして異民族の侵略に苦しまなければならないのか、そしてどうして神は私たちをお救いにならないのだろうかと自問自答したと思います。そしてその答えを見出すべくヨルダン川下流で布教していた洗礼者ヨハネの教団に所属します。しかし恐らくイエスはヨハネの教えでは人々を救う事ができないと判断したのでしょう。彼はユダの荒野での40日間の断食を終えると、ヨハネの元を去ります。やがてイエスが安息日のために人間はあるのではない。人間のために安息日はあるべきだと考えるようになります。つまり神や律法のために人間はあるのではなく、人間のために神を存在するのだ。律法を守る守らないに拘わらず、或いは義人や罪人に拘らず神は見返りを求めないアガペーを常に人々の元に送り届けている。例え罪人であっても自分の罪を認め神の愛を受け取れば救われるという人間中心の信仰感を作ったのではないかと私は感じます。