悲しきTV

夕立ちやんで日暮らしはもう店じまい
坂の上から今夜も聴こえてくる
茶の間に陣どりテレビ釘づけの
ババアの横顔がオレの一日を締めくくる
テレビの横に置かれているのは誰かの遺影
昔愛した男が微笑んでいる
悲しい顔は見せたくないから
ババアはお笑いしかチャンネルを合わせない
雨の日には朝から観てる
テレビだけが話し相手さ
だからテレビ
もっと気合い入れて
笑えるヤツを
茶の間に届けてくれないか
季節が変わり北風吹いても
テレビだけが友達なのさ
だからテレビ
もっと気合い入れて
笑えるヤツを
茶の間に届けてくれないか
テレビ
もっと気合い入れて
笑えるヤツを
ババアに届けてやってくれ