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🔴『大般若経(だいはんにゃきょう)』600巻を、僅か262文字に凝縮した、大乗仏教の真髄が説かれているお経です。
特に「空(くう)」について説かれており、すべての物事・事象・現象は、永遠不変不滅の確固たる実体をもつ「自己」を表すものではないという〝事実(真理)〟に目覚めれば、自ずと悩みや苦しみから解放される智慧が現れると説く。
また、文末の「ギャーテー ギャーテー〜」は、サンスクリット語をそのまま音写した「咒」(陀羅尼だらに)で、漢字そのものに意味はありません。
宗派を問わずお唱えされ、お写経でも定番とされる仏教界の〝大ベストセラー〟です。
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🟣『摩訶般若波羅蜜多心経(まかはんにゃはらみたしんぎょう)』
観自在菩薩 行深般若波羅蜜多時 照見五蘊皆空
(かんじざいぼさつ ぎょうじんはんにゃはらみたじ しょうけんごうんかいくう)
度一切苦厄 舎利子 色不異空 空不異色 色即是空
(どいっさいくやく しゃりし しきふいくう くうふいしき しきそくぜくう)
空即是色 受想行識亦復如是 舎利子 是諸法空相
(くうそくぜしき じゅそうぎょうしきやくぶにょぜ しゃりし ぜしょほうくうそう)
不生不滅 不垢不浄 不増不減 是故空中
(ふしょうふめつ ふくふじょう ふぞうふげん ぜこくうちゅう)
無色 無受想行識 無眼耳鼻舌身意 無色声香味触法
(むしき むじゅうそうぎょうしき むげんにびぜっしんい むしきしょうこうみそくほう)
無眼界 乃至無意識界 無無明亦 無無明尽
(むげんかいない しむいしきかい むむみょうやく むむみょうじん)
乃至無老死 亦無老死尽 無苦集滅道 無智亦無得
(ないしむろうし やくむろうしじん むくしゅうめつどう むちやくむとく)
以無所得故 菩提薩埵 依般若波羅蜜多故
(いむしょうとくこ ぼだいさつた えはんにゃはらみったこ)
心無罣礙 無罣礙故 無有恐怖 遠離一切顛倒夢想
(しんむけいげ むけいげこ むうくふ おんりいっさいてんどうむそう)
究竟涅槃 三世諸仏 依般若波羅蜜多故
(くうぎょうねはん さんぜしょうぶつ えはんにゃはらみったこ)
得阿耨多羅三藐三菩提 故知般若波羅蜜多
(とくあのくたらさんみゃくさんぼだい こちはんにゃはらみった)
是大神呪 是大明呪 是無上呪 是無等等呪
(ぜだいじんしゅ ぜだいみょうしゅ ぜむじょうしゅ ぜむとうどうしゅ)
能除一切苦 真実不虚 故説般若波羅蜜多呪
(のうじょいっさいく しんじつふこ こせつはんにゃはらみったしゅ)
即説呪日 羯諦 羯諦 波羅羯諦 波羅僧羯諦
(そくせつしゅわつ ぎゃてい ぎゃてい はらぎゃてい はらそうぎゃてい)
菩提薩婆訶 般若心経
(ぼじそわか はんにゃしんぎょう)
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🟠【現代意訳】
『摩訶般若波羅蜜多心経』
偉大なる智慧の完成(悟り)に到る、心髄の教え
私たちの中に在る、事実(真理)の姿、即ち「観自在菩薩」は、常に「深遠なる智慧、完全なる智慧」として存在しています。
私たちの存在(心身)や、この世界に存在するあらゆる物質を構成する五つの要素(地・水・火・風・空)は、すべて皆「確固たる自己」という性質を持たないものです。
つまり、一切の存在は自分という限られた固有の実体ではない存在、即ち「空」であると見極める事が大切であり、ここに気がついたならば、この世界のあらゆる苦しみと災いが、自ずと解決するのです。
(観自在菩薩:ブッダが説かれます)
舎利子よ、形あるもの(物質)、存在(色)は、空に異ならず、空は、形あるものと異ならないのである。
形あるもの(物質)は皆、「確固たる自己」ではない性質「空」であり、「空」はそのように存在しているものなのである。
そして、私たちの心身感覚である、「目・耳・鼻・舌・意(心)」が生み出す、感受作用・表象作用・形成作用・識別作用もまた、同じく「確固たる自己」ではなく、「空」なのです。
舎利子よ、あらゆる存在は「確固たる自己」ではない「空」を本性としているから、「確固たる自己」として生じることも、また滅することもないのです。
また、汚れることも清まることもなく、増えることも減ることもないのです。
だからこそ、空であるということには、「確固たる自己」という形あるものとして存在せず、感受作用・表象作用・形成作用・識別作用もまた、「確固たる自己」として存在しないのです。
眼・耳・鼻・舌・身体・心も、「確固たる自己」としては存在しないのです。
これらの感覚器官の対象である形・音・香り・味・触れられるもの・心の対象の法も、「確固たる自己」として存在しないのです。
私たちの感受できる範囲、眼から、意識にいたるまでの、どこにも永遠不滅の「確固たる自己」は存在しないのです。
事実(真理)は無いという状態もなければ、真理(事実)が無い状態も尽きることもない。
また、「確固たる自己」ではない、真理(事実)には、老いや死ぬということもなければ、老いて死ぬことが尽きることもない。
(ただ、「変化し続けるという働き、作用、プロセス」があるのみなのです)
「苦・集・滅・道」という四聖諦(ししょうたい:四つの聖なる、気高き事実真理)もまた、「確固たる自己」を確証するものではないのです。
「確固たる自己」は、永遠不滅のものを「知る」ということもなければ、永遠不滅のものを「得る」ということもないのです。
得るところのものが何も「無い」からこそ、「仏としての自己(菩薩)」は智慧の完成に向けて歩み続ける(精進)、生成消滅を繰り返すこの世界の変化を楽しみながら、向上に向かってチャレンジし続けるのです。
「仏としての自己」の心には妨げるものがなく、心に妨げるものがないからこそ、恐怖や苦しみが発生することもないのです。
一切の真理(事実)と反する、アベコベの妄想を超越して、揺るぎない安心、安寧、幸福を究めるのである。
また、過去・現在・未来のどの諸仏諸菩薩たちも、智慧の完成に向けて歩み続けた(精進)からこそ、無上なる完全な悟りを表せるです。
だからこそ、肝に銘じて自覚するべきである。
【般若波羅蜜多】とは、大いなる事実(真理)の言葉(真言)であり、大いなる悟りの智慧の言葉(真言)なのです。
(安心して頼れるもの、帰依できる事実なのです)
この上ない真言であり、比べるものがないほど素晴らしい「事実(真理)」なのです。
あらゆる一切の苦悩を除き、それは事実(真理)であり、脆弱で頼りにならないような虚ろなものではないのです。
だからこそ、【般若波羅蜜多】を讃える事実(真理)の言葉(真言)を、ここで説きます。
「行こう、行こう、越えていこう、常に越えていこう、目覚めた、幸いあれ。」
偉大なる智慧の完成(悟り)に到る、心髄の教え
【参考文献】
全国曹洞宗青年会HP
面山瑞方禅師『般若心経聞解』吉祥林蔵版
曹洞宗宗務庁監修『えんぴつで般若心経』ポプラ社
中村元・紀野一義訳註『般若心経・金剛般若経』岩波文庫
宮坂宥洪『真釈般若心経』角川ソフィア文庫
竹村牧男『般若心経を読みとく』角川ソフィア文庫
キャロライン・ブレイジャー著、藤田一照訳『自己牢獄を超えてー仏教心理学入門』コスモライブラリー
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🔴読経後には、必ずその功徳(くどか)を回らし向ける為のお唱え、回向文(えこうもん)をお唱えします。
普回向はお釈迦さま、ご本尊さま、ご先祖さまへのご供養、生きとし生ける生命への安寧、安心を祈願する回向文です。
略三宝は、仏教の三つの宝である仏(覚者)法(教え)僧(修行者)に帰依礼讃するお唱えです。
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🟣『普回向(ふえこう)』
願(ねが)わくは
此(こ)の功徳(くどく)を以(もっ)て普(あまね)く一切(いっさい)に及(およ)ぼし、
我等(われら)と衆生(しゅじょう)と皆共(みなとも)に
仏道(ぶつどう)を成(じょう)ぜんことを
『略三宝(りゃくさんぼう)』
十 方 三 世 一 切 仏
じーほーさんしーいーしーふー
諸 尊 菩 薩 摩 訶 薩
しーそんぶーさーもーこーさー
摩 訶 般 若 波 羅 蜜
もーこーほーじゃほろーみー
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【現代訳】
お勤めの功徳を、如来・菩薩・諸天・善神・鬼神・亡者・諸精霊、生きとし生ける全てのものに手向け、仏の道を成就しますように。
【仏】一切の全世界(十方=東・西・南・北・東南・西南・東北・西北・上・下)と、あらゆる時間(三世=過去・現在・未来)にわたる全ての仏さまへの帰依礼讃。
【僧】あらゆる尊師、菩薩、修行者への帰依礼讃。
【法】悟りの岸に至る為の、大いなる智慧への帰依礼讃。
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