C.M.ヴィドール：組曲 Op.34

C.M.ヴィドール：組曲　Op.34
C. M. Widor：Suite Op.34
フルート：飯島　諒（本学助教）
ピアノ：飯島　未来（本学非常勤講師）
2021年9月25日　沖縄県立芸術大学　奏楽堂
使用楽器：YAMAHA　YFL-997CH（総14K）
奏楽堂演奏会
• 奏楽堂演奏会（フルートリサイタル）
C.M.Widor(1844-1937)
ハンガリー移民の末裔で、祖父の代までアルザスでオルガン建造職人の家系であった。リヨンの教会オルガニストであった父から音楽の手ほどきを受ける。
ブリュッセル時代の師・レメンスの影響を受けて、歴史的なドイツ音楽、とりわけバッハの音楽をフランス国民へ紹介することに力を注ぎ、自らもバッハのオルガン曲の演奏を熱心に行っていた。
1890年にパリ音楽院のオルガン科教授であったフランクが死去すると、その後任として同音楽院のオルガン科教授に任命され、1896年からは作曲科教授に転身した。
「組曲」 作品34は、1898年に作曲され、ゴーベールのソナタ1番と同じく、ヴィドールにとって同輩であったタファネルに捧げられており、初演もタファネルが行った。
第1曲 「モデラート」 は、印象的な導入に続き、レガートで流れる16分音符によって音楽が始まる。メロディーとハーモニーはすべて19世紀のスタイルだが、古典的なたたずまいを感じさせる曲想になっている。
第2曲 「スケルツォ」 は、フルートの軽さと機敏さが存分に活かされた曲。
第3曲 「ロマンス」 は、あたかも歌曲のようで、メンデルスゾーンの 「無言歌」 の影響を感じさせる。
第1曲 「終曲」 は、全体の締めくくりとして、熱っぽく力強さに満ちている。転調を重ねながらハ長調で終わる手法など、フランクの作品を彷彿させる。色彩の変化に満ちた、華麗なフィナーレである。