大台ケ原の森の光 Odaigahara in Nara, Japan

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『 大台ケ原の森　. . . 1億年をはるかに超える時間をかけて海の底で堆積した砂岩とプランクトンの殻が集まり岩となったチャートが、重なり合った地層だ。
大地は海洋プレートがユーラシアプレートの下に沈み込むことでゆっくりと押し上げられた。隆起である。千数百万年前には、海から顔を出し陸になった。
その後も隆起は続き、せり上がるように高くなり現在の形をつくったといわれる。だから、海、つまり現在の熊野灘から日出ケ岳までは20kmも離れていない。
海際に1500mを超す高さにそそり立つ大地である。
断崖、絶壁に周囲を守られた要塞のような 地形、絶え間なく降り続く雨と樹間を流れる 霧、冬には氷雪。
長く大台ヶ原は人を寄せ付けぬ秘境であり、魔物の世界であった。
巨木が天空を覆い、暗く苔むした深い森は、迷い込んだら二度と出られぬところだった。森は人を拒絶していた。 』
米倉久邦『 日本の森列伝 』ヤマケイ新書
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