Рет қаралды 5,401
特集「キャッチ」です。洋服の『シミ抜き』を目的に、県外からも客が訪れるクリーニング店が福岡市にあります。高い技術とともに、客の要望に丁寧に寄り添うのは3代目の店主です。その姿をFBSのカメラマンが追いました。
普通の洗濯では消えないシミが、あとかたもなく消えていきます。それは、まるで魔法のようでした。
■ワカナクリーニング・若菜真一社長(56)
「困った物を集めたい。“困った”を“感動”に変えるというのが一つ目の理念です。」
福岡市中央区薬院の『ワカナクリーニング』は、創業から90年の老舗です。3代目店主の若菜真一さん(56)は、シミ抜きの高い技術で、その名を知られています。
■若菜さん
「(他の店と)何が違うかと言われると、やる数や難しいのが集まる数が少し違うかな。難しいのは、よそで落ちなかったとか他県からとか。」
27年前に一般企業を退職し店を継いだ若菜さんは、ほかの店に優る特色を出したいと考えました。そこで注目したのが、『シミ抜き』でした。
■若菜さん
「僕がサラリーマンやっていて一番最初に感動したのが、シミ抜きだったんですよね。その時、(シミ抜きで)有名な人が5・6人いて、5人ぐらいの人に毎月会いに行って、全くわからないまま学んでいたのが最初だった。しつこかったんでしょうね。」
人の汗や食品の油など、シミの種類は様々です。まずは、シミの成分とシミのついた繊維の材質を調べます。そして、たくさんある薬剤の中から数種類を組み合わせ、そのシミにいちばん適した洗浄を進めます。
若菜さんの“魔法”は、しつこく学んで積み上げた知識と、日々の経験のたまものです。
■若菜さん
「これ全部ワインですね。若い子で『飲み屋さんでこぼされちゃった』と。一番の問題は地色が弱いか強いか。(シミを)落とそうとしたら生地が溶けてしまう。同じ相性のものが付いた時が、なかなか難しいです。」
■若菜さん
「洋服の価値観はみなさん様々なので、薬院エリアだけじゃなくて別の区、別の市、別の県から持ってこられるから。それに対してどう応えてあげられるか。」
■来店客
「(福岡市)早良区室見から来ました。きれいに落としていただきました。大切なお洋服は、必ずこちらに出してお願いしています。」
■来店客
「すごくきれいにしてもらえます。出した時にすごく丁寧に説明してくださるので、信用しています。出したら間違いないなと思います。」
厚生労働省の調査によると、クリーニング施設の数は右肩下がりで減り続けています。デリケートな素材を洗える洗濯機や洗剤が増えたことや、コインランドリーの増加などが、その背景にあります。その逆風の中で、若菜さんはクリーニング店にしかできない技術を追求しています。
■若菜さん
「(コインランドリーや)家庭用洗濯機とは違う仕事をしないといけない。そこに持ってくるものはうちには持ってこない。“困った物”だけでいい。」
この日、福岡市南区から来店した女性が持ってきた真っ白なニットカーディガンには、他の服の色が移っていました。
■若菜さん
「全部大きさ(編み目)が違うんですね。変わっていますね。」
■来店客
「新しいし、高いので。」
立体的な編み目や風合いを損なわずに、シミを落とさなくてはなりません。
■若菜さん
「風合いは水をつけると変わるけど、極端に変わるので言うと、このデコボコ感。一番心配なのは風合い?」
■来店客
「うん。」
■若菜さん
「この辺り一回取ってみて、またご連絡します。」
■来店客
「(Q.地元のクリーニング屋さんには行かれなかったんですか?)お金もらっても、きれいになるか分からないと言われたので。」
さっそく作業に入ります。
■若菜さん
「なんとなく落ちますね。最終的に水洗いしたいなと思ったんですけど、ドライで仕上げてあげたら、この風合いは保たれる。」
作業の合間には、このカーディガンが掲載されているサイトで、素材を入念に調べていました。
■若菜さん
「お疲れ様でーす。」
■スタッフ
「こちらご確認お願いします。」
■来店客
「大丈夫です。(Q.諦めかけていた?)大切な服だったので良かったです。」
「(風合いが)変わらないままきれいになっていたので。すごく親身になって相談してくださってありがたかったです。」
■若菜さん
「人の物の価値観を触ってまたお返しなので、そこが一番怖いところ。価値観を合わせるためにも、お客さんの声を聴かせてもらって、それに対して返答する。喜んでもらうにはどの業も“困った”を拾っていっていると思うので、そこに対して信頼が出来る店になったらいいなと思います。」
その技術で多くの人を笑顔にしてきた若菜さんは、困った人の声に耳を傾けながら、さまざまなシミと向き合い続けています。
最新のニュースは www.fbs.co.jp/... をご覧ください。
twitter FBS福岡放送ニュース(@FBS_NEWS5)でも発信中!!
/ fbs_news5