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「海外の生徒を呼び込み、日本の中高一貫校で学んでもらう」そんな取り組みを行っている学校があります。日本の将来を担う人材を育成しようという狙いもあるそうです。
■国境を越えた中高一貫教育 初めて迎えたインドネシアからの新入生
兵庫・姫路市にある姫路女学院高校はこの春、インドネシアからアレタさん(15)とチェルシーさん(14)、2人の新入生を迎えました。
2人はインドネシアの中学校を卒業して、日本にやってきました。親元を離れて3年間、姫路での高校生活が始まります。
姫路女学院は4年前にインドネシアの学校と提携を結び、国をまたいだ中高一貫教育を始めました。姫路女学院がインドネシアの中学に日本型の教育を提供し、その中学を卒業した生徒が来日、高校に入ります。オフショアスクール=海外分校と呼ばれる仕組みです。
このオフショアスクールから迎えた初めての生徒がアレタさんとチェルシーさんです。2人はどうして日本に来ようと思ったのでしょうか。
アレタさん
「小さい頃からアニメをたくさん見ました。日本に行きたいと夢みていました」
チェルシーさん
「小学校6年生の時に留学したいと思いました。学校に奨学金があると知って、日本に行きたいと思いました。それで今、ここにいます」
学校側は奨学金を用意して、インドネシアからの生徒が日本に来られるようにしました。親元を離れ、寮で共同生活を送ります。
姫路女学院が見据えるのは高校卒業のさらに先、地元で働くグローバル人材の育成です。
■少子化・人材不足の切り札に?国際人材を早期育成 “日本型”教育 その未来は…
姫路女学院高校 摺河祐彦 校長
「日本の文化もしっかりと身につけ、そして将来は日本の社会で働き、貢献していただけるような人材の育成できれば」
学校は地元の姫路市と人材育成で連携する協定を結びました。ゆくゆくは地域の企業などを巻き込み、卒業生の就職まで支援する計画です。
背景にあるのは、少子化に伴う人材不足です。
兵庫・姫路市 清元秀泰 市長
「単なる単純労働者を入れるのではなく、日本という国を愛して向学心に燃えている若者を受け入れる社会を作ることも大事なのではないか」
アレタさんもチェルシーさんも日本語は勉強中です。姫路女学院は特別なカリキュラムを組んで、日本の文化や日常会話も教えます。一方、数学などは他の生徒と机を並べて授業を受けます。
インドネシアの学校とはさまざまな違いがありますが、生徒自身による掃除などは日本ならでは。集団生活の規律も学んでいきます。
この日の学級当番はアレタさん。新しい友達に助けてもらって学級日誌を記します。日誌と教室の鍵を先生に返すまでがお仕事ですが、日本語で先生に報告もします。
日本で育まれる若い芽がこの先どう根付いていくか、息の長い支援が求められそうです。
■国際人材を早期育成 学校・自治体・企業・インドネシアにもメリット
小川彩佳キャスター:
アレタさんとチェルシーさんの意欲的なキラキラとした眼差しに大きなパワーを感じました。どんどん全国に広がっていってほしいなと感じます。
23ジャーナリスト 宮本晴代 氏:
今回の取り組みは姫路女学院と地元の姫路市がタッグを組みました。将来的には経済界・産業界を巻き込み、一緒にグローバル人材を育てていこうという取り組みです。これは全国初のコンソーシアム(共同事業体)ということで、内閣府が今年度から3年間数千万円規模で交付金を出すということを決めました。
関わる人それぞれにメリットがあります。今、子どもが少なくなっていますから、▼学校にとっては生徒を確保できる機会になる、▼受け入れる自治体や企業にとっては、早いうちから日本で教育を受けて、将来的に管理職になれるような高度な人材を確保できる可能性があるということです。そして、今回はインドネシアでしたけれども、成長している国々にとっては教育の機会の“チャンス”になるということです。
姫路女学院高校・摺河校長の「今はまだインドネシアには『日本への憧れ』を持ってくれている人が多いが、10年後はどうなっているかわかりません。教育の中での取り組みは、今やらなければいけない」という言葉が印象的でした。「この10年が勝負だ」という思いで取り組んでいるそうです。
小川キャスター:
10年後どうなっているのかわからないというのは実感できる言葉です。私も子育てをしながら子どもにどういう教育環境を授けたらいいか考えたときに、日本のスタンダードやこれまでの自分自身の成功体験をそのまま当てはめるのが正解だとは限らないという難しさも感じています。
データサイエンティスト 宮田裕章さん:
まさにその通りですね。教育自体が今、大きな転換点を迎えています。
今までは知識を習得して、その後、社会に出て知識を役立てるというものでしたが、世界が大きく変わる中で、そのモデルは通用しなくなっています。
そういう意味で校長先生の言葉は本質を突いていて、日本の今の教育が魅力的であり続けられるのかということを見直さない限り、世界とともに学ぶというモデルに…(newsdig.tbs.co.jp/list/articl...
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