Рет қаралды 183
この動画はジャーマンショートロウ(german short rows)のダブル目(ダブルステッチ、double stitch)の復元、修復(repair)を試みた動画です。この編み方の形式はイースタンアンクロスニッティングメソッドですが、フランス式(Continental knitting English knitting)にも対応しております。動画内では道具を使って復元しています。簡単ですので、興味を持たれた方はお試しください。
ジャーマンショートロウは簡単と言われていますが、目が外れやすいという欠点があります。それはどうしてかというと、ダブル目を後ろ側にグイっとそらせる、つまり引っ張りますので毛糸に張力という負荷がかかるのです。日本式引き返し編みのように渡り糸がないですので糸にゆとりもなく、そのため毛糸が元に戻ろうとする力が強く働くためではないかと推測されます。
しかもそのダブル目が外れた場合、なぜか難しくて直すことができないのです。日本式引き返し編みとは同じ仕様だと言われ、それで直して見たこともありますが、目が間伸びしてしまうのです。ただこの直しの場合裏側から渡り糸の引き締めが可能です。奇麗にはなりますが、その渡り糸は緩くなる(戻る) 可能性があるので、後ろ側から止めつけなければならないでしょう。止めつければその糸端を処理しなければならないです。裏側の長い糸端をそのままにして置く人というのは、編み物をする人の中にはいないと思います。二重手間。下手をするとこの糸の止めつけの処理が表に響くのです。
裏側のダブル目のことですが、本物の目を真ん中から2分割したと仮定すると、右側の糸(B)を同じ目の左側の穴(A)の部分に入れ込んで、引き出して目にしているのです。かけ目がからんでいるからできるのですが、見たこともないような特異な仕様であり、驚かざるを得ません。編み物というよりは結び目のような感じがします。この結び目様の目は、外れた時点ですでに姿を消している(引っ込んでしまって)場合も多いと思います。
またこの動画の図を見ても、即座にジャーマンショートロウのダブル目を解いた図だとわかる人は少ないでしょう。謎の図です。(ダブル目に紐をつけて解くという発想の人自体がおそらくいない、それをイラストにする人もいない、だから見たことがない)自分も出来なかったのですが、このような特異な仕様の編み方の目が外れたとなると、復元が容易でないということは予想がつきます。構造的に同じだから日本式引き返し編みで直してくださいと言われていましたが、それも無理からぬことだったのかなと思います。
直しの道具としては両端かぎ、リペアフック、毛糸針、細い短針などが便利ですが、片側にかぎがついているとやりやすいです。リペアフックは専門用品ですのでさすがにやりやすいですが、太さが2段階しかないのがどうかなと思います。靴下などは細い毛糸で編まれる方が多いでしょうから。その他この用途に使う場合、リペアフックは短いのが長所であり短所でもあるでしょう。でも何かをわざわざ買う必要などは全くなく、編み物をする人なら手持ちの品で十分間に合うと思います。
注意点としては、ジャーマンショートロウの場合、目の向きが複雑なのです。動画中目を手前から拾うとありますが、ついうっかり後ろ側から針を回して拾うと糸のかけ方が反対になるので、編地がねじり目になるのです。例えば裏側のダブル目の仕上がりの所、左側は手前から拾い、右側の目はすべり目で針を通す、表側の場合かけ目の上側の足を拾う場合は手前から拾います。煩雑ですからその点に特にご注意ください。目を拾う向きを一箇所間違えただけで、表の編み地に支障が出るのです。動画の向きの通りに拾ってください。
その他、編み棒でもやってやれなくはないですが、主要な作業に限って言えば、左の編み棒より右の編み棒のほうがやりやすいと思います。編み残しの一目の復元は、自分には無理でした。やって見たのですが上手くやれなかったです。そこまで解くよりないと思いました。でもベテランの方なら出来るのではないかと思います。もちろんそれは日本式引き返し編みでやるのです。
編んでいる最中に編んでいる向きと反対側の棒のダブル目が外れていることに気づいた場合ですが、すぐにマーカーを入れて固定させ、それ以上目が落ちないようにすることです。マーカーを入れればそれ以上落ちないですので。その後順序に従って今編んでいる箇所を編み終えてから、引き返してマーカーの箇所に向かいます。慌てず騒がず。パニックになって騒ぐといいことがないです。焦ってしなくていいようなことまでしてしまうのです。引き返し編みは向きがありますので。
動画中の裏側の説明文に誤りがありました。AがBになっていました。重大な誤りですので削除し、修正して再アップしました。大変申し訳ありませでした。
ご視聴ありがとうございました。