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【目標】
頼みの下剤が効かない。
突然の失便に襲われるかもしれない。外出するのが本当に怖い。
お腹が重く不快感だけではなく、体すべてが重く、歩くことすら簡単ではない。それでも、撮影に出る。
カバンには着替えの下着が2枚と強力な下痢止め。
まるで撮影を阻むかのように、365日24時間、常に後遺症に耐えて意識しなければ生きてはいけない。
薬では治らない。直腸を全摘出したことで生きる事と引き換えにこの体を受け入れたのだ。だから、死ぬまでこの体はこのまま。
薬と食事を工夫して、排便障害と上手く付き合える方法を探りながら10年近く前向きに向き合ってきた。
癌が再発することに比べれば、今の私は恵まれている。
我慢すれば、耐え続ければ、撮影を続けならが生きて行けるのだからか。本当にありがたい。
そうして生きて行くためには目標や夢があった方がいい。
辛いことも夢の力で乗り越えられる。
常に病気や死を意識させられているので、何かを残したいとの思いは日に日に強くなる。
これまでもいろんな目標を持った。「ミニ番組を持ちたい」との夢は「やまとの季節」で現実となった。
頑張り続けていれば誰かが見てくれて評価してくれる。その考えは間違ってはいなかった。
今も私は夢を持ち続けている。純粋にその夢を叶えたいとの気持ちと共に夢の力で日々の辛さを乗り越える力を持つためでもある。
上映会での夢は、千住真理子さんともう一度共演すること。
テレビカメラマンとしての夢は、365日休まずに映像詩ミニ番組を365本放送すること。川上ミネさんに365のピアノ曲を作曲していただく。
NHKの深夜に毎日2分間の映像詩で全国に今日の季節を放送する。
日本の始まりの地である奈良には365の季節があることを映像詩とピアノ曲で表現する。
365日休まずに撮影し、一年間の放送をやり終えて寿命を全う出来れば、最高に幸せだと思う。
それが叶うために私は何をすればいいのだろうか?
これを企画書にしてNHKへ提案しても無理だろう。
私が今以上に映像作家として、感性と技術を磨きレベルアップすることが大前提だろう。その上で全国的に知名度が上がり、世間に評価されるようになればNHKは検討してくれるかもしれない。
とにかく、今の私が更に成長しなければ話にならない。
そうするためには、そうなるためには、今以上に撮影にすべてを捧げなればならないだろう。まだまだ頑張らなければ、これから先への夢に近ずくことすら叶わないだろう。夢が大きければ大きいほど、後遺症の辛さを乗り越える大きな力になる。
だから、生きて行くためにはやるしかない。
負けてたまるか。