決議論におけるルールと道徳『カズイスチカ｜森鴎外』【雑談

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[@funkpipozaru]

かなり難しい話ですね 現代に照らすと確実に決議論は不完全で 相対論は少なからず完全への可能性を残す論 だと思うんです 一方決議論にも起源があると考える訳です 日本の法で言えば明治29年ですね それ以前の紀元前からの敢えて「勃興する」決議論の起源は、その時の相対的考えや慣習に加えて、力関係が作用していると思うんです だから長期的には持続不能になることにより不完全化していくのかなぁと だからどうしたになってしまってすみません いつもありがとうございます

[@空蝉-i4q]

青空文庫で読みました。青空文庫は文字が大きくできるので老体の身には助かります。今後は本はやめて電子書籍にしようか・・・。 小説ともエッセイとも評論ともＳＦともつかぬ一風変わった作品に思えますが、鴎外の頃は日本文学の草創期ですから決まった形式やジャンルもなく、自身でスタイルを創りだすしかなかったんでしょう。でも、それで鴎外が何を言いたいのかちょっと計りかねるところはありますね。 やはり、どうしても「脚気問題」との関連で考えてしまいます。自身の医療知識についての反省なのか、世間の批判に対する弁明なのか、官僚制度や医療制度に対する批判なのか、なんらかの意図があったのではないか。 当時は脚気の原因がわかっておらず、病原菌説や栄養失調説など諸説あった。鴎外は保健衛生技官のトップだったが、病原菌説をとって栄養面の処置を講じなかったために兵士に多数の犠牲を出したと責任を問われたらしい。当時は医学といえばドイツであり、ドイツ留学で最先端の西洋医学を学んだ鴎外としては、流行の病原菌説をとるのもありそうな話ではある。一方の栄養失調説は、漢方系の医者が唱えていたもので古臭い印象だったが、実際、麦飯や玄米食により脚気症状が改善する経験的事実も知られていた。 結局、原因はビタミンＢ１不足と判明し、「脚気問題」は、症状を因果でとらえ原因を除去することで治療する西洋医学より、症状の観察と経験による東洋医学的な治療の方が正しい場合があるという一つの「事例」になったわけだ。 しかし、合理(演繹)か経験(帰納)かといったこと以上に鴎外が「麦飯」を頑なに拒んだ理由が他にあったようにも思えます。 当時は、精米した上白米「銀しゃり」が上等品として珍重されており、麦飯や玄米飯などは、嵩増しのための貧乏人の食べ物と見做されていたらしい。たしかに「銀しゃり」は食味も消化もよい。一気に血糖値もあがるから満足感もある。今でこそ雑穀や玄米の健康効果が唱えられているが、たしかに昔は「銀しゃり」信仰のようなものはあったと思うし、今でさえ玄米食を好んで食べる人は少数派だろう。 明治時代の軍部としては、お国のために命を賭けて戦場に赴く兵士に粗末な麦飯を食べさせるわけにはいかない。せめて「銀しゃり」ぐらいは食べて士気を高めてもらおうぐらいのつもりはあったのではないか。そして、それは兵士自身も望んだことだろう。 かつてマリー・アントワネットは「パンがなければケーキを食べればいい」と言ったそうだが（真偽はともかく）、ケーキに飽き飽きしていた彼女としては、むしろパンの方が健康的なことを知っていたのかもしれない。 ともあれ、軍隊や世間に蔓延る「銀しゃり信仰」が、科学的でもあり実質的に効果もある「麦飯」の導入を阻むことになった。兵士は「銀しゃり」を食べられて喜んだかもしれないが、それで脚気を患っていては元も子もない。 「脚気問題」は、こうした軍隊組織の、あるいは世間的常識の偏見が、科学的事実を歪める「事例」でもあったといえそうだ。 それは、「カズイスチカ」の話の「オチ」とも言える３番目の事例「生理的腫瘍」に見てとれるように思う。「生理的腫瘍」とば結局、単なる「妊娠」のことだったわけだが、そのことに患者を診た数人の医者は誰も気づかなかった。未亡人で独り暮らしをしている女性が妊娠するとは誰も想像だにしなかったからだ。 人間の社会は往々にして、科学的な正しさなどより、世間的な偏見によって動くものだというのが、鴎外の一応の言い分であったのではないかと思えます。それが、弁解なのかなんなのか判断しかねますが。 さて、鴎外は生年が1862年ですから、同世代の哲学者でいうとフッサール(1859生)などが思い浮かびます。鴎外が留学した当時のドイツ科学界の状況を想像するに、フッサールの現象学が出てくるような素地があったのではと推測されます。 現象学は、それまでの科学的思考に対する疑問から、科学にしっかりした哲学的根拠を与えようという意図から生まれたといえるでしょう。科学的思考におけるあいまいさや偏見を排除するために、判断停止したり、カッコにくくったり、純粋直観に至る方法を模索したり。少なくとも初期フッサールの問題意識は、デカルトやニュートンによる近代科学の方法の行き詰まりを打開するところにあったのはたしかでしょう。 合理(演繹)だけでも経験(帰納)だけでもうまくいかない、何か新しい推論の方式が必要だというような議論は当時も行われていたでしょう。医学界でも因果論に基づく合理的な方法と経験に基づく経験論的な方法の優劣や限界などもそれなりに研究されてはいたでしょう。 そうした状況を考えれば、なぜ「カズイスチカ」が、小説のタイトルに使われたのかも理解できるような気はします。合理主義でも経験主義でもなく、世間や組織の偏見に縛られない判断は、鴎外にとっては当然のものだった可能性はあるでしょう。

[@akiraooq8498]

決議論とは、一般法則的なものと個別特殊なケースのせめぎ合いについてどう折り合いをつけていくか、を研究する学問らしい。とすれば、医学と臨床、法律と判例、戒律と懺悔のような関係。つまり、一般と特殊の関係であり、絶対と相対の関係ではないし、ルールと道徳の関係でもないと思います。むしろ、道徳とルールの関係ですね。

[@qoamb410]

お話し良かったです。失礼ながら、私は昔のサラリーマンががむしゃらに働いて、社会が回っていたのは、日本が経済的に成長期にあり新興国が経済的な成長が途上であったからで、決議（疑）法が機能していたと断定は難しいと感じます。そうであって欲しいとの願望は私も感じますが。決議法、今後も医療など倫理が問われる場面や企業などの組織の運営で機能していくと思いますが、権威に依存せざるを得ない関係上、諸刃の剣なのかなと感じます。例えば、企業の不祥事の謝罪会見など、企業内でいわば決議法的に決めた謝罪内容が、世間から非難されるなど、報道の誇張なども考えられますが、決議法の弱点なのではないかと感じます。長々とすみません。失礼なもの言いすみません。