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京都・七条にある「若林仏具製作所」。
創業は天保元年。国の伝統工芸品に指定されている京仏具や京仏壇の製法をおよそ200年もの間、守り伝えてきました。店には仏壇仏具の歴史を伝える展示フロアもあります。
これは江戸時代末期から明治時代の製作と言われています、このミュージアムで最も古い仏壇です。
「このお仏壇の見るべきところというのは金具なんですけれども、実はよく見ていただくと中に小さな点々の粒が入ってるんです」
魚の卵のような細かい粒を打ち込む「魚々子」と呼ばれる技法です。
「かなづちと鏨を使って、一粒ずつ打っていくのが気の遠くなる作業。金具職人さんが来るとですねずっと見入ってますね。素晴らしい技術だという風に思います。」
3代目社長から収集をはじめ、現在は、歴史と文化を多くの人に知ってほしいと展示もするようになりました。
「やっぱりね職人の技術の継承っていうこともありますし。弊社のミッションで
手を合わせる文化と心を守りますというものがありまして。家の中に手を合わせる場所が一つあるということが現代社会においてとても重要であることではないか…
しかし近年、ライフスタイルの変化などで仏壇・仏具の需要が低迷。「宗教用具」の年間販売額は1990年代からこの30年で7割近く減っています。
そこで、近年は価格もおさえたシンプルな仏壇やインテリア重視の仏壇なども開発し、
ネット販売にも力を入れてきました。さらに今回、新たに製作したのが…
「こちらがこの度発表させていただいたペーパーオルター、紙を使った仏壇と言いますか。祈りの場所となります。」
木材の価格高騰や不足が業界の課題となるなか、新しい素材として”紙”に注目。デザイナーらの協力のもと、製作しました。こちらは、薄い紙を何十にも重ねて貼り合わせたブロックを積み木のように積み替えて使います。
「家の中に置いてあってぱっと一目見たときにですねとても手を合わせる場所とは
思えないものなんだけど。積むという行為自体がやっぱり祈るということにつながるんではないかなって面白いかな」
今後は宗教にこだわらず、さまざまな形で祈りの文化を守っていきたいと考えています。
「今の世の中の社会の変化に応じて我々もスタイルを変えていくってことがとても大切なのではないかな」
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