MACF礼拝映像 2025年1月19日

MACF礼拝説教要旨
2025年1月19日
「パウロの確信と喜び」
フィリピの信徒への手紙1章
3わたしは、あなたがたのことを思い起こす度に、わたしの神に感謝し、
4あなたがた一同のために祈る度に、いつも喜びをもって祈っています。
5それは、あなたがたが最初の日から今日まで、福音にあずかっているからです。
6あなたがたの中で善い業を始められた方が、キリスト・イエスの日までに、その業を成し遂げてくださると、わたしは確信しています。
7わたしがあなたがた一同についてこのように考えるのは、当然です。というのは、
監禁されているときも、福音を弁明し立証するときも、あなたがた一同のことを、
共に恵みにあずかる者と思って、心に留めているからです。
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フィリピの信徒への手紙は獄中書簡のひとつです。そしてフィリピの教会の始まりは
使徒言行録16章に詳しく書かれています。そしてパウロはフィリピでも悪意を持った人たちに告発され短期間ですが投獄されました。
この手紙はフィリピの人たちが獄中のパウロに贈り物を届けたことへの感謝の手紙です。フィリピに住むクリスチャンたちはパウロのために何度も献金や支援を提供してきたことが記録されています。4章です。
15フィリピの人たち、あなたがたも知っているとおり、わたしが福音の宣教の初めにマケドニア州を出たとき、もののやり取りでわたしの働きに参加した教会はあなたがたのほかに一つもありませんでした。
16また、テサロニケにいたときにも、あなたがたはわたしの窮乏を救おうとして、何度も物を送ってくれました。
17贈り物を当てにして言うわけではありません。むしろ、あなたがたの益となる豊かな実を望んでいるのです。
18わたしはあらゆるものを受けており、豊かになっています。そちらからの贈り物をエパフロディトから受け取って満ち足りています。それは香ばしい香りであり、神が喜んで受けてくださるいけにえです。
しかし、贈り物への感謝、喜びばかりでなく、この手紙にはパウロの喜びがあちこちに書き表されています。
フィリピの信徒への手紙の挨拶でパウロは普段は使徒パウロと書いていますが、
ここでは「キリストのしもべパウロ」と挨拶しています。現在の私たちにとって、
「しもべ」というと、あまりひどい肩書とは感じられませんが、実際は「奴隷」という意味があります。
牢獄に囚われ、使徒としての立場も役割も剥ぎ取られたような状況でパウロはあえて
「キリストのしもべ」「奴隷」と自己紹介し、そうなっている自分に対するフィリピの教会の人たちの温かい思いを心から感謝しているのです。
自分の立場が困難な状況に置かれている、使徒としての使命を果たせないような気持ちになりそうな状況にいる、にもかかわらず、フィリピの人たちの温かい支援の心はパウロにとっては本当に心強い「仲間」「同志」「味方」であり、福音がもたらす
「愛の心」を実行しながら生きている彼らを本当に「共に神の恵みに生かされている」お互いであることを嬉しく思っているのです。
私たちに必要なのは友人ではなく「仲間」「味方となってくれる同志」だと言われます。その通りかもしれません。パウロはそういう人たちとの交流があったからこそ、生きてこれたと言って良い厳しい宣教者としての生活を続けてきました。
だからこそ、
3わたしは、あなたがたのことを思い起こす度に、わたしの神に感謝し、
4あなたがた一同のために祈る度に、いつも喜びをもって祈っています。
という言葉が出てくるのだと思います。
私は振り返って、牧師としてすでに50年継続的に働いてきました。その間、
パウロにとってのフィリピの信徒の方々と同じように多くのクリスチャンの仲間たちから支援を受け、励ましを受け、ここまでくることができました。
多くの人に迷惑をかけ、つまづきをもたらしたこともありました。
しかし、そんな状況にもかかわらず、愛を持って支えてくださり、今もこうして
礼拝を継続できていることを心から感謝しています。主にある交わりを赦されている仲間のみなさまは私にとって大きな喜びです。
そして、パウロは、彼らの愛に溢れた、祝福を分かち合う良い行いは、決して虚しいものではなく、神が彼らの心を動かして始めさせてくださったのであり、それは神様が最善の状況へと導き、ともに大いに喜べる結果へと神様がことを動かしてくださるのだと伝えています。
つまり、フィリピの信徒たちの中の育っている神を愛し、他者を愛する姿勢は神様がもたらしてくださったものであり、福音が広がり、イエス様を信頼する人たちが増えていっているのは神様が始められたみわざなのだと語っています。それゆえ、その働きを完結させてくださるのも、神様なのだということです。
6あなたがたの中で善い業を始められた方が、キリスト・イエスの日までに、
その業を成し遂げてくださると、わたしは確信しています。
フィリピは、マケドニア州第一区の都市で、ローマの植民都市でした。パウロの最初の滞在は数日間だったと記録されています。その間に ティアティラ市出身の紫布を商う人で、神をあがめるリディアという人と、占いの霊に取り憑かれていた奴隷の女性とローマの獄舎の看守が信仰を持ったことからフィリピでの活動が始まりました。身分も出身も背景も違う人たちでした。それらの人たちがイエス様を信じて連絡を取り福音に触れることになり、その輪は広がっていきました。
不思議なことです。
パウロが伝道集会を開催したわけではありませんでした。
まさに、神様のなさる不思議な恵みの出来事です。
そして、その町に住む人々がイエス様を信じるようになり、礼拝者の群れが
誕生したのです。
それは人為的なものではなく、恵みの出来事でした。
しかも、その彼らこそが、最も誠実にパウロの支援者になったのです。
その群れの始まりを振り返ってみれば神様のなさった出来事であることがわかるはず
なので、だからこそ、安心して、今できることをしていけば良い、心配して
活動を止めるのではなく神様にお任せして進んでいけば神様が最善へと
導いてくださるとパウロは勧めています。
これはまさに、私たちにも必要な励ましの言葉です。
MACFには所属する教団もありませんし、私の直属の副牧師がいるわけでもないので
関根先生が死んだら、MACFはどうなるのですか、と尋ねられることがよくあります。私にはわかりません。でも、神様がはじめてくださったことですから、間違いなく神様は最善を知っておられ、そこに導いてくださるに違いないと確信しています。
それは、ある意味、楽しみでもあります。
仲間でいられる喜びを味わいたいですね。
最終的には神様があなたの、そして私たちの、またMACFの行く末の責任を担ってくださることがわかると安心ですね。