マグマの高温変形・流動実験 -より現実的な火山現象の数値シミュレーションに向けて- 黒川愛香（火山防災研究部門）

多くの火山現象は，マグマや溶岩の流動に関係して発生する．従って火山現象の理解には，マグマや溶岩の変形・流動的特徴の解明が不可欠である．本研究ではマグマの高温変形・流動実験から火山現象シミュレーションで必要な構成則を導き出し，その現実的な結果を予測・防災に繋げたいと考えている．今までの結果から，流動開始前のマグマの状態によってその後の流動が大きく変化することがわかった．実験サンプルの電子顕微鏡観察により，その要因はマグマ中の結晶配列の変化だと考えられる．このような特徴はマグマや溶岩の流動開始・停止時に影響を与えるため、シミュレーションする際にも考慮する必要がある．そのため今後も実験を進め，マグマや溶岩で見られる複雑な流動の特徴を支配するパラメータを明らかにし，それらを組み込んだ構成則を提案したい．
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