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四万十の黒鳥鍛造工場は、130年余りの伝統があり、ここで修業した鍛冶屋さんも多い。
形を見てみるとNo.29の土州勝秀さんの剣鉈と刃や柄の形に共通するものがある。同じ四万十で同一鍛冶屋流派に属する伝統の形かも知れない。持ってみるとずっしりと重く、細部まで緻密に作られている。霞仕上げを消してしまうのが惜しくて使ってない。当然、錆び止めの被膜も剥いでおらず、砥ぎ直しもしていない。刃長25センチ、刃幅4センチ、刃厚6ミリ。どちらかと言うとナイフに近い。そのうちどんどん剣鉈とナイフの境目が曖昧になってくるだろう。この梶原さんのところは、ヨキ、ナタ、マサカリ、トビ口などの30種類以上の鍛造品を打ち分け、依頼されて神奈川大学の常民文化研究所に納められたと聞く。この研究所は渋沢家(渋沢栄一)と関わりあいのある民俗文化の研究機関。
「釣瓶拾い」のように、それがどんなものかわからなくなる前に収蔵しておくことは、未来への遺産となるものだと思う。