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JR九州の観光列車として活躍した『SL人吉』の蒸気機関車が地元で展示されることになり17日、お披露目式がありました。
18日は102歳の誕生日でこの記念日にあわせて一般公開が始まりました。
JR人吉駅隣りのスペースでお披露目されたのは蒸気機関車、58654号機です。
1922年、大正11年製造の58654号機は『ハチロク』の愛称で親しまれ、JR九州の観光列車『SLあそBOY』や『SL人吉』として延べ90万人以上を乗せて走ってきました。
しかし、車体の老朽化や技術者不足などから、ことし3月に引退。
人吉市に無償で譲渡され、102歳の誕生日の前日に、展示に向けたお披露目式が開かれました。
式では、人吉市の松岡 隼人市長が「これからも地域のシンボルとして輝き続け、歴史を刻むことが、肥薩線復旧の大きな一歩になる」と挨拶。
58654号機について「今後も、親しみを込めて『SL人吉』と呼んでいく」と発表し観光のシンボルとしても期待を寄せています。
関係者を集めたお披露目式でしたが、SL人吉の様子を一目見ようと会場の外も合わせて約300人が参加し、久しぶりの『再会』を祝いました。
【鉄道ファン】
「ハチロクの(新しい)旅が始まったと思う。この人吉の地から蒸気機関車と肥薩線の魅力を伝える」
【小学生の鉄道ファン】
「いい感じに撮れた。あとは肥薩線が復活すれば完璧。SL人吉も10年後に復活してくれればもっといい」
『SL人吉』が走っていたJR肥薩線は2020年7月の豪雨で甚大な被害を受け、
いまなお一部区間が運休。
このうち、八代ー人吉の区間、いわゆる『川線』は、熊本県とJR九州が鉄道での復旧に向け、今年度中の最終合意を目指しています。
しかし、復旧目標は、熊本県が示す案で2033年度とまだまだ先です。
今回、展示された『SL人吉』。
肥薩線が再開するまでの間、「鉄道と地元住民をつなぐ大事な存在」でもあります。
【人吉市民】
「私も飾ってほしいと思っていたのでよかったと思う」
人吉市は今後、格納庫を整備し、圧縮空気を動力とした『SL人吉』の動態保存を検討。
維持管理に向けて、『車体磨き』などの体験イベントも開く予定です。