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1 左ききのあなたの手紙
右手でなぞって真似てみる
いくら書いても埋めつくせない
白紙の行がそこにある
友情なんて呼べるほど
きれいごとで済むような
男と女じゃないことなど
うすうす感じていたけれど
あの夏の日がなかったら
楽しい日々が続いたのに
今年の秋はいつもの秋より
長くなりそうな そんな気がして
2 夢を両手に都会(まち)に出て
何もつかめず帰るけど
やさしさの扉を開ける鍵は
眠れない夜がそっと教えた
心も体も開きあい
そこからはじまるものがある
それを愛とは言わないけれど
それを愛とは言えないけれど
あの夏の日がなかったら
楽しい日々が続いたのに
今年の秋はいつもの秋より
長くなりそうな そんな気がして
春の嵐が来る前に 暖かい風が吹く前に
重いコートは脱ぎすてなければ
歩けないような そんな気がして