日本キリスト教団六ツ川教会 ローズンゲン釈義黙想（2024/7/2）

2024年7月2日（火）
【旧約聖書】
主を愛する者たちは、日の出の勢いを得る。士:31（協）
【新約聖書】
（イエスの言葉）あなたがたは世の光である。山の上にある町は、隠れることができない。だから、あなたがたの光を人々の前に輝かせなさい。マタ5:14, 16（協）
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「ローズンゲン釈義黙想」は、日本キリスト教団六ツ川教会の会員向けのメッセージです。
日々、御言葉を聞くことができるように毎朝5時に更新します。
「公開」設定にしていますので、六ツ川教会の教会員でない方も、ご関心のある方はどうぞ自由にご活用ください。
釈義黙想の後に、呼吸と沈黙の時間があります。
ヨガのトレーニングから学んだ呼吸法のごく基本的な方法を取り入れています。
御言葉を聞き、呼吸と姿勢を整えて、良い一日の始まりとなりますように。
どうぞ今日も笑顔でお過ごしください。
使用しているテキストは『日々の聖句　Losungen2024』（ベテスダ奉仕女母の家出版部、2023年）です。全国のキリスト教書店でお求めいただくことができます。税込み1,400円です。
*ローズンゲンで指定された場所以外は、聖書協会共同訳聖書のテキストを用いています。
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　本日与えられたマタイによる福音書5章は、イエスが語られた「地の塩、世の光」のお話の一部です。13節からこのように書かれています。「あなたがたは地の塩である。だが、塩に塩気がなくなれば、その塩は何によって塩味がつけられようか。もはや、塩としての力を失い、外に投げ捨てられ、人々に踏みつけられるだけである。あなたがたは世の光である。山の上にある町は、隠れることができない。また、灯をともして升の下に置く者はいない。燭台の上に置く。そうすれば、家にあるすべてのものを照らすのである。」これは良く知られたお話です。「塩」と「光」に共通することは、それ単体では役に立たないということです。塩を塩だけで食べる人はいないと思います。塩を舐めながら日本酒を飲むという飲み方もあるそうですが、それも、塩は日本酒を引き立てるために使われています。塩は、食事の味を引き立てることに、その存在価値があります。光も光だけがあっても、仕方がありません。光を直接見れば、目を傷めてしまいます。光は周囲を照らすことに、光の存在価値があるのです。あなたがたは地の塩、世の光である。それは周囲の存在を引き立てることに、私たちの存在価値があるというメッセージなのです。
　フランスの哲学者にガストン・バシュラールという方がいましたが、『蝋燭の焔』という著作において「焔は上に向かって流れる砂時計である」と表現しています。砂時計の砂はひとりでに落ちます。それで時間を計ります。蝋燭の焔はひとりでに燃えます。ですが、蠟燭の焔は、その燃えている時間自体、周囲を照らし続けているのです。点されて、勢いよく燃えて、揺らいで、小さくなり、喘ぐように揺らめき、そして消えていく。その間も、ずっと周囲を照らし続けているのです。その蝋燭の焔に、自らの体を燃やしながら、小さくなっていくその姿に、人間一生を重ねてみることができます。イエスとは、まさにそのような地上の人生を送られたのです。
　
　焔は、上に向かって流れる砂時計のように、周囲を照らし続け、人のために生き続けた人は天の国へと昇って行くのです。「主を愛する者たちは、日の出の勢いを得る。」神さまを愛するとは、人々のために生きることです。人々を照らす人生を歩むことです。それは自分自身を燃やし尽くす生き方ですが、まっすぐに神さまの道を日の出の勢いで歩む生き方なのです。
日本キリスト教団六ツ川教会牧師　　桐藤　薫