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1946年(昭和21年)3月28日
満目焦土のかなたに、今なお轟然としてそびえ立つのは、かつての大本営陸軍部の巨大な建物。そして今、侵略戦争が企てられたこの建物の中で、東条[英機]元首相らの歴史的裁判が行われようとしております。
世界人類の文明の名において彼らを告発した国際検事団主任検事キーナン氏、同じく裁判長ウェッブ卿は、3月15日、この法廷を視察しました。
被告席。
かつての東条大将の部屋。
弁護人清瀬一郎氏は語ります。
《東条元首相弁護人 弁護士 清瀬一郎氏》
「東条元首相が、国民に対し、重大責任を負うべきは無論であります。ただしかしながら、この戦争を起こしたことが国際法上の犯罪となる、ということについては、私どもは絶対にこれを争うものであります。」
清瀬一郎氏は、今度の戦争は犯罪にあらずとして、暗に侵略戦争を否定されております。しかし、事実はどうであったでしょう。
「・・・新たに行動を起こすのやむを得ざるに至りましたのは、米英の暴政を排除して大東亜諸地域を明朗なる本然の姿に復し、新たなる大建設を行わんとするにほかならない・・・。」
東条首相以下、賀屋[興宣]蔵相、東郷[茂徳]外相ら、当時の戦争挑発首脳者はあらゆる美辞麗句をもってこの戦争を「聖戦」と称し、翼賛選挙の名で買収された代議士たちは、またこれに無条件に賛成しました。それのみか、彼らは一片の独立の空手形と紙屑同様の軍票を与えたのみで、東亜10億の民族から、あらゆる富、あらゆる物資を「戦争資源」と称して強奪したのです。
あるいはまた、不幸俘虜になった英米人に血みどろの銃剣をもって奴隷のような苦役を強い、しかもその一方で「大東亜共栄圏の盟主」とみずから称して、征服地人民の前に轟然(ごうぜん)と肩をそびやかし、狡猾な笑いを浮かべていたのです。これが犯罪戦争でないでしょうか。
自由法曹団、岡崎一夫弁護士は語ります。
《自由法曹団 弁護士 岡崎一夫氏》
「太平洋戦争は間違いなく侵略戦争であり、日本の人民大衆を今日の苦境に陥れたのみか、他民族の生存を脅かし、世界の平和を攪乱した憎むべき犯罪行為であります。その首謀者たちは、あくまでも責任を追及されねばなりません。」