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近年、台風や大雨などによる水の被害が多発しています。こうした状況を受け、浜松市の住宅メーカーが、水に浮くことで浸水被害を減らそうという家を開発しました。
近年、大雨による水害が増えていて、県内でも2019年、台風19号によって多くの住宅が浸水などの被害を受けました。こうした、家が浸水する被害を防ぐため、浜松市の住宅メーカー・一条工務店が開発したのが「耐水害住宅」です。一般的な住宅と比較すると、左側の一般的な住宅は、水位が窓枠の高さまでくると室内に水が入ってきますが、右側の耐水害住宅はこの実験では浸水しませんでした。どのような仕組みになっているのか、浜松市内に体験ができる施設があります。
<一条工務店グループ開発責任者 萩原浩さん>「(Q、浸水を防ぐポイントを教えてください)最初に、基礎の換気口から水が入ってきます」
どの住宅にも床下に必ずついている換気口は、最初に水が入ってくる場所です。一方、耐水害住宅の換気口には、水槽のような箱があり、水位が上がると蓋が浮き上がり水が入るのを防ぎます。水が引けば、元通りになります。
床下にはもう一つ浸水の原因があります。排水管が逆流すると、トイレや浴槽から水があふれだしてしまいます。これを防ぐのが逆流防止の弁です。
<一条工務店グループ 萩原浩さん>「このような弁がついている。生活排水は外に排出される。洪水はさかのぼるので、弁が障壁になって内側に水は入らない」
シンプルなつくりにすることで、メンテナンスを簡単にし、コストを抑えています。
さらに、窓からの浸水を防ぐには、高い水圧、漂流物にも耐える必要があります。窓ガラスは3層に、壁の厚さは2倍にすることで、浸水だけでなく、家が壊れて水が入り込むのも防ごうという構造です。一条工務店は、漂流物に見立てた丸太を実際に水に流して、強度を確認しました。強い流れに乗った丸太が壁などにぶつかっても浸水はありませんでした。
これらの水が入らない対策に加えて開発したのが、「あえて浮かせて流されない家」です。洪水に流されないよう、船を係留する要領で家の四隅をポールと繋いでいます。水が引いたときに家が元の位置に戻るように4つのポールが、家を均等に引っ張ります。
<一条工務店グループ 萩原浩さん>「最大の誤差で3センチぐらい。その程度の位置のズレで元に戻すことができる」
家が浮いたら、配管は壊れてしまわないのでしょうか?
<一条工務店グループ 萩原浩さん>「(排水管は)弾性のある配管を使っている」
排水管や給水管は家が浮くと自動で抜けて、再び取り付けができるようにしています。
一条工務店が耐水害住宅を開発したきっかけは、2015年の鬼怒川の堤防決壊でした。
<一条工務店グループ 萩原浩さん>「我々の技術でなんとかできないか、と考えたのが第一歩だった」
2020年開発した耐水害住宅は、水位5メートルの増水にも耐えられる想定になっています。しかし、想定外が起こるのが災害です。耐水害住宅が浸水に耐える家だとしても、安全な場所への避難は必要です。
<一条工務店グループ 萩原浩さん>「避難指示が出た段階でまずは避難していただく。水が引いた後、いち早く生活復旧ができる、ライフラインの確保ができる」
「これさえあれば安全」という備えはありませんが、耐水害住宅は水による被害を最小限に抑え、早く暮らしを復旧させる選択肢となりそうです。
#オレンジ 11月10日放送