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モインモイン!
今日は有名な労働歌、Einheitsfrontliedです。
リクエスト、ありがとうございます。
〈曲について〉
曲についての説明は動画の中に入れてみました。
ヴァイマル共和国の時代、左派政党の社会民主党(SPD)と共産党(KPD)は対立を深め、特に共産党は社会民主党を激しく攻撃しました。
これは1928年の第6回コミンテルン執行委員会総会において、社会ファシズム論が示され、ファシズム勢力よりも社会民主主義勢力の打倒に注力すべきとの方針が示されたことに起因します。
しかし、1933年、ナチスが政権を掌握すると、政党や労働組合は強制的に解散させられました。そもそも、ナチスが政権を掌握した当時、SPDとKPDを合わせればナチスに対抗できるだけの勢力があったのですが、共産党の指導者エルンスト・テールマンはナチスが政権を一旦取り、その無能さを晒すことによって政権は共産党に移ると考えていたようです。
ナチスの政権掌握をみた人々は、社会民主主義勢力と共産主義勢力とが統一戦線を形成することこそが、ファシズムに対抗しうる唯一の手段だと考え始めます。作詞者のベルトルト・ブレヒトもその一人でした。彼は劇場監督だったエルヴィン・ピスカトールに依頼され、この曲を作詞し、全ての労働者がこの統一戦線に参加するように呼びかけました。作曲者のハンス・アイスラーも労働者が歌いやすい曲調を意識し、誰でも簡単に歌える旋律、労働歌らしい行進曲チックな曲調を採用しました。
1937年にはドイツではなくスペインで、初めてのレコードが世に送り出されます。その後も多くの言語に翻訳され、またドイツ語でもカバー曲が生まれました。どんなバージョンがあるか探してみるのも面白いかもしれませんね。
〈訳について〉
・Es macht ihn ein Geschwätz nicht satt, das schafft kein Essen her.
「つまらん無駄話は人間を満腹にしない、そんな話は食べ物をもたらさない」
das Geschwätzは軽蔑的に「無駄話」という意味です。
ナチスの総統、ヒトラーは演説によって人々を魅了しました。ドイツの民衆は第一次世界大戦の賠償と世界恐慌に苦しめられていましたから、この歌詞は暗にヒトラーを皮肉ったものではないかと推察されます。
・Drum links, zwei, drei!
ここをどう訳すかなのですが、このLinks, zwei, drei!というのは日本で言うところの「いち、に、いち、に」に相当する行進の掛け声です。ドイツやオーストリアの軍隊ではzweiをdreiと聴き間違えないようにするためzwo(ツヴォー)に変えた「Links, zwo, drei, vier」が使われているようです。ですので、ここでは「行進せよ」を補って訳しました。左派の曲だから「Links(左)」というわけではないみたいですね。
・Reih dich ein, in die Arbeitereinheitsfront, weil du auch ein Arbeiter bist.
「労働者統一戦線に参加したまえ、君も一人の労働者なのだから」
Reih~einは「列に加わる」という意味のeinreihenの命令形です。労働者なのだから、統一戦線に参加しろ、と言う内容になっています。
・Es macht ihn ein Geschwätz nicht warm und auch kein Trommeln dazu!
「つまらん無駄話で人間を温めない、そして宣伝の太鼓だって人間を温めない」
Trommelというのはドラムとか太鼓という意味です。もちろん楽器としても使いますが、宣伝のためにも使われ、die Trommel für 〜 rührenで「〜を大々的に宣伝する」という意味があります。これも先ほどと同じく、ナチスの宣伝手法を暗に批判したものではないかと推察されます。