『大学院に行く or 行かない』の件。僕は理科系修士を出て、中堅製造業の技術研究所に勤務して、こないだ定年になって、今は契約社員やってるけど、こんなことになるって最初っから判ってたら、大学院に行かないで4大で就職してたなぁ。最初っからフリーランスや起業を目指してるなら大学院出身の経歴は箔付けに有効だろうけど、若くしてビジネス感性備えた人間なんてそうそう居ない。資源も持たなくて勤め人にしかなれないのだとしたら、所詮は人生を切り売りすることになる訳だから、学費を抑えて勤労報酬を増すのが有利というもので、だとすると大学院履修の時間は労働者としてはリスクでしかない。バクチです。一方で、雇用側の会社から見れば、新採用従業員の使途は将校か兵卒か、の二択であって、事実上は高卒と大卒以上という仕分けになるから、大学院を出ても4大出と同じ扱いをする。だから、東大とか京大とかの名門大学院を出たならともかく、駅弁国立やバカ私大の大学院では褒めてもらえない。それに、定年は一律60歳だし、大学院出たからといって給料は4大出と殆ど変わらないから、修士や博士で就職するよりも4大出で就職できた方が働ける時間が長くて生涯収入が多い。ヘタに大学院出身を気取ってカッコつけても、学校出たての若造が出来ることなんてタカが知れてるし、会社側も期待していないから、心理的に負担が増すだけでツマラナイ。高卒や中卒で就職できて、楽な仕事だけして高収入が得られるならば、これこそが勤め人の王道なんだろう。その王道に近い事情だったのが、かつての帝国陸海軍の下士官だったのだろう。今でも旧軍の下士官的なメンタリティーの労働者が現場には多く居て、現状維持バイアス蔓延によって硬直化した社会スキームを(無意識的に)運用している。大学院出の人間には、そういった悪しき因習の打破を期待されている雰囲気があるのだが、それをやったところで反撃喰らって支援得られなくて孤立して自滅してしまう。いちばん得するのは4大出かなぁ、と思う。都合よく、将校にも兵卒にもなれるから、究極の偽善者である。修士卒だった僕からすれば、同期入社の連中はガキクソだし、同年齢の先輩社員はバカのくせに威張ってるし、全くもって不愉快だった。これが勤め人の人生なのだとしたら、この世の中はクソだぜ。