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オーストラリアで行われている生活困窮者への炊き出しに並んでいる人のなかには、ワーキングホリデーで滞在している日本の若者もいます。ワーキングホリデーでオーストラリアに渡って働けば驚くほど稼げると一時は話題になったこともありましたが、今は状況が変わっているようです。
■炊き出しに日本人の若者の姿も
オーストラリア東海岸に位置し、近代的な街並みと自然が共存する街・ブリスベン。
きのう、生活困窮者のための炊き出しに長い行列ができていました。列にはオーストラリア人以外にも様々な国の人が並び、よく見てみると、目立つのは若者の多さです。そのなかには日本人の姿もありました。
ワーホリでオーストラリアに来た田中さん 仮名(21)
「英語力を伸ばしたいっていうのと、海外に住んでみたいなと」
半年前にワーキングホリデーでオーストラリアに来たという田中さん。現在はラーメン店で週5日働き月30万円ほどの収入がありますが、オーストラリアの物価は高く、生活に余裕はないといいます。
田中さん 仮名
「(生活が)厳しいとは思いますね。やっぱり物価が高くて。パンとかスーパーで買うと結構高くついて(ここに来れば少しでも)節約になるかなって…」
彼が並んでいた列の先にあるのは、作りたてのサンドイッチやたくさんの野菜に、パン、カップ麺などの食料品の数々。
こうした炊き出しに今、多くの日本の若者が並んでいるといいます。
炊き出しの主催者 ジミーさん
「コロナ前は日本人はいませんでしたが、コロナ明けから来るようになり、多い時は300人中50人が日本人です。最近は20人ほど来ています」
今、田中さんのようにワーキングホリデーを利用してオーストラリアに来ている日本の若者の多くが困窮しているといいます。
ジミーさん
「彼らは英語が話せず、それが仕事を得られない原因だと思います。彼らは家賃が払えなくなってホームレスになることを恐れています」
ワーキングホリデー制度とは休暇目的で入国し滞在期間中に旅費や滞在資金を補うための就労を認める制度で、申請時の年齢は18歳以上30歳以下。現在30の国と地域が対象です。
コロナ禍が収束して以降、多くの日本人がこのワーキングホリデー制度を使ってオーストラリアに。一時は円安の影響で、アルバイトでも破格の収入を得られると話題になっていましたが、最近はなかなか仕事を見つけられない状況になっているといいます。
田中さん 仮名
「仕事探しはやっぱり苦労しますね。大体(履歴書を)1日に4、50枚配ってそれを1週間続けて、返信が4、5件くらい」
田中さんは仕事探しのため400枚ほどの履歴書を送り、ようやく今の仕事が見つかったといいます。
田中さん 仮名
「厳しいっていうのは(ネットとかで)見てから来たんですけど、想像以上に厳しかった」
■「前に進まない」仕事探しの現実
去年8月、ワーキングホリデー制度を利用し、オーストラリアにやって来たおじゅんさん(23)。
ワーホリでオーストラリアに来たおじゅんさん
「オーストラリア、稼げる、稼げるって言われてて、僕も行ったんですけど現実は甘くなくて…。孤独、寂しい、仕事も見つからない。100万円以上は最初持って行ったんですよ。お金だけはどんどん無くなっていく。(仕事が見つかった時の残高は)10万円とかでしたよ」
オーストラリアに来て1カ月経って、やっと仕事が見つかったといいます。そんな厳しい職探しで大事だというのが…。
おじゅんさん
「まず英語力。タイミング」
おじゅんさんは海外留学を経験し、日常会話程度の英語力はあったといいますが…。
おじゅんさん
「(英語力は)全然足りないですね。何言っているのか分からないので何も前に進まないっていうのが現実です」
おじゅんさんが履歴書を持って店に出向いた時に記録した音声です。
店長
「遠くまで通勤する気はありますか?遠くても大丈夫ですか?」
おじゅんさん
「いえ、あの働くために来ています」
店長
「分かっています」
おじゅんさん
「ワーキングホリデーを取得しています」
店長
「分かっています。働きたいのなら通勤が30分ほどかかっても大丈夫ですか?」
おじゅんさん
「最大6カ月なら働けます」
店長
「分かっています。私が言っていることを理解していますか?」
英語が理解できず、ちぐはぐな会話となり、結局仕事を得ることはできなかったといいます。
おじゅんさん
「日本人の思っている英語ができると、海外の思っている英語ができるが全然違いすぎて、全然(英語が)できないのを実感しました」
英語力のなさを実感し、さらに仕事も見つからず、貯金も減る一方。徐々に気持ちも滅入っていったといいます。
おじゅんさん
「本当にもう、ストレスがすごくて、日本に帰ろうかなと思ったこともありました」
「(Q.そういうなかで仕事が見つけれられた?)ギリギリですね」
やっと見つけたレストランでの仕事。しかし、試練がありました。
おじゅんさん
「雇用形態がパートタイムというより、1週間でどのくらいシフトが入るか。仕事できれば次の週は多く(シフトを)入れさせてもらえる。多く入れさせてもらえないと生活できないので、本当に競争でしたね」
おじゅんさんによると、1件の求人に対し100件を超える応募があるといいます。そのため…。
おじゅんさん
「(面接して)良かったらすぐ雇って、その分逆に使えなかったらすぐ切るので、人を。他にもたくさん(応募者が)いるので、入れ替わりも激しい」
休みたい日に仕事が入り、その日は働けないと告げると次の週はシフトが減らされることもあったといいます。
おじゅんさん
「(雇い主から)いつでも切れるよっていう雰囲気は出してきます」
■「8時間3000円」悪徳農場も
一方、去年10月に、ワーキングホリデーでオーストラリアにやって来た北山楓太さん(22)。英語が得意でなかったため、語学学校に通い仕事を探しますが…。
北山さん
「まだ(英語が)しゃべれなかったので、英語があまり必要のないファーム(農園)の仕事に行った」
オーストラリアに渡ってすぐ、ブルーベリーやグレープをもぎ取る農場の仕事に就きますが…。
北山さん
「1日8時間とか9時間働いて3000円。悪徳ファームという、いわゆる違法なファームなんです」
オーストラリアの最低賃金は日本円でおよそ時給2300円ですが、北山さんが働いていた農場は歩合制と称し、安い賃金で働かせていたといいます。
北山さん
「1日3000円しか稼げないと、もう笑うしかなかったですよね。普通にざらに(違法な雇用は)あるので、仕事あるだけラッキーぐらいな気持ち」
しかし、条件の良い仕事を見つけるには時間がかかるため、この農場で4カ月間我慢しながら働いたといいます。
その後、日本食レストランの仕事が見つかったのですが…。
北山さん
「(仕事始めて)2~3週間しないうちに左足骨折して(治るまで)働けないから、それを日本食のオーナーに言うと『分かった』って一言で終わらされて、クビになったのだと思って」
骨折が治るまで働けないと言うと、すぐにクビになり無職になった北山さん。けがが治り仕事を探しますが、英語ができないことが壁となります。
北山さん
「英語も完璧じゃないから、なんかあしらわれるみたいな。本当に200くらいは(職探しに)行ってますよ」
仕事が見つからず、徐々に貯金が減っていく現状に対して…。
北山さん
「挫折寸前ぐらい、あの時の気持ち的には。日本に帰るお金もなくて。(食事は)パスタやったら1豪ドル(約100円)なんで、パスタとトマトソースの2豪ドル(200円)でしのいでた」
骨折から2カ月後の今年7月、カジノに入っているキッチンを深夜から朝まで清掃する仕事をようやく見つけることができました。
北山さん
「来る前と今の貯金がトントンくらい。1年で戻ったぐらい。やっぱり(諦めず)行動しないと仕事もできないし、英語力も身につかないと思います」
■英語力が壁 仕事奪われる日本人
なかなか仕事を見つけられない人がいるなか、現地でフルタイムの仕事をしている日本人は…。
オーストラリアでフルタイムで働くしょなるさん(34)
「金属加工の工場で働いてます。(月収は)9000豪ドルぐらいやと思うんで、90万円付近ぐらいやと思います」
週5日、金属加工工場で働いているしょなるさん。仕事探しでは日本での経験が生きたといいます。
しょなるさん
「今の仕事は日本でも似たようなことやってたんで。『これだったらできる』とか『これ(機械)はめっちゃ上手いこと使えるから雇ってくれ』みたいな。今の仕事もゲットできたので。ラッキーやったんかなというふうには思います」
日本の工場で勤務していた経験をアピールし、安定した仕事を見つけることができたしょなるさん。ただ、身の回りで仕事探しが難しくなっていることを実感しているといいます。
しょなるさん
「イギリスとか、英語をしゃべれるカナダ人もそうですし、そういう人らは増えてますね」
英語圏の国からワーキングホリデーに来る人が増えているといいます。
しょなるさん
「母国語が英語の人らは、資格とか経験がそのまま使えるんで、めちゃくちゃ強いです。同じスキルだったら絶対負けてしまうんで。実際、今年に入ってからアイルランド人が僕の職場に4人~5人くらい入ってきて」
求人があっても英語圏の国の人に仕事を取られてしまうケースも多くあるといいます。
一方、職探しに苦戦したおじゅんさん。その経験を元に、これからやってくる人たちに対し、こうアドバイスします。
おじゅんさん
「まず大前提として、英語力。できるだけ話せるところまでオーストラリアに来る前にレベルを上達しておいた方が間違いなく良いのと、あとは初期費用ですね。しっかり貯金したうえでオーストラリアに来ないと仕事っていうのはそんなにすぐ見つからないので、オーストラリアでも食費とか色々高いので。ちゃんと食費を持って、英語力を身に付けたうえで、オーストラリアワーホリに来ることをおすすめします」
(「羽鳥慎一 モーニングショー」2024年9月5日放送分より)
[テレ朝news] news.tv-asahi....