@@BirdHZD.8310 非常によく勉強しれおられますね。実は、新型コロナが流行し始めた段階で、このウイルスがACE2を受容体として侵入するなら、ACE2阻害剤を投与すればウイルスが細胞に侵入しにくくなるのではないかという仮説を立てた研究者がいました。結果、ACE2阻害剤を飲んでいる高血圧の患者を調べ、軽症化どうか調べたところ、結果的には軽症化せず、対照群と差がなかったのです。 従って、少なくとも、新型コロナウイルスがACE2に干渉して何かをすると言う事はなさそうだと言う事になりました。ただし、新型コロナが侵入した細胞は破壊されますし、細胞内でウイルスが作られるためにアミノ酸と核酸が消費されます。よって、この細胞がホルモン活性を持つ可能性も低下すると考えられます。 ところが面白い事があります。2022年京都大学の報告などで、コロナと親和性の高いACE2を治療薬として使用する実験が行われました。コロナがACE2に付着して感染するなら、コロナにもっとくっつきやすいACE2製剤を作ればコロナがそちらに吸着し、感染を防げるのではという発想です。結果、実験では実際にコロナに付着する事がわかりました。An engineered ACE2 decoy neutralizes the SARS-CoV-2 Omicron variant and confers protection against infection in vivo 「改変ACE2受容体は免疫逃避性を示すオミクロン株も中和する」これがその論文です。Y.Ono