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新型コロナによる外出の自粛など影響が長引き、地方鉄道の経営環境は一段と厳しさを増しています。行政から補助金を受けて運行を継続している富士市の岳南電車は、限られた予算の中、あの手この手で乗客を増やそうとしています。
夕闇の富士市を、車内の照明を落として走るのは、岳南電車の「夜景電車」です。工場夜景などを楽しんでもらおうと月に2回ほど走らせています。利用者の低迷で赤字経営の続いてきた岳南電車ですが、「夜景電車」に代表される観光需要を拡大させる取り組みが実を結び、2014年度以降、乗客数は右肩上がりでした。しかし、新型コロナにより2019年度から状況は一変しました。厳しい状況が続く中、強化するのが、情報発信です。
富士市内にある茶工場を見学しているのは岳南電車の社員。ユーチューブで動画を生配信していました。
<ユーチューブ配信の様子>「葉っぱをバラバラにするために葉打機といって、こういう手の形をしたものがいっぱいグルグルまわるので」「手の作業だと」「そう、混ぜてる」
工場の後は茶農家と一緒に市内の茶畑に。富士市のお茶の魅力などについて2時間にわたって発信しました。
<岳南電車鉄道部 竹村優一郎さん>「岳南電車のみならず、周辺、富士市、本当に魅力的な所ばかりなので、そういったところを発信できればと思う」
ユーチューブは2021年4月に開始し、これまでに投稿した動画は35本以上。沿線の魅力もセットで岳南電車を売り込もうという狙いはもちろんですが、厳しい懐事情も関係しています。
<岳南電車鉄道部 竹村優一郎さん>「正直、経営の面では厳しい現実というのがありあまして、チラシを何回も撒くより、1回動画を撮って出すのはそんなにコストもかからない。より低コストで多くの方に見て頂ける」
動画の発信は限られた予算でファンを増やす工夫のひとつです。
というのも、岳南電車は赤字経営が続き、富士市から毎年6200万円の補助金を受け、赤字を補填している状況です。再来年度以降も補助金を継続すべきか…市の公共交通協議会がまとめた報告書です。利用者数や収支の目標こそ達成できませんでしたが、これまでの岳南電車の自助努力を認めた内容となっています。補助金のラストイヤーとなる来年度の予算案が発表された際、富士市の小長井市長も公的支援が重要との見解を述べました。
<富士市 小長井義正市長>「市民の暮らしの足という部分、新たに観光の要素も加わって来ているところなので、市にとっても大変重要な公共交通機関だと認識している。したがって我々も応分の補助は継続しなければならないと考えているところ」
しかし、2023年度以降も公的資金を拠出する価値のある鉄道だということを示し続けなればなりません。2021年末から2月中旬までは観光庁の補助金を活用し、土曜・休日の運賃を無料にするという奇策とも思えるキャンペーンを展開して注目を集めました。予算がない中、コロナ関連の補助金や今ある資産をフル活用し、次々とイベントなどを仕掛けます。
<参加者>「子どもが小さいので、日頃から電車が好きなので、ぜひ来たいと思った」「楽しくて、季節ごとに色々あるので、よく来ている。(富士市の)シンボルなので、いつまでも残って欲しい」
厳しい状況を知恵と工夫で乗り切ることができるのか、岳南電車の奮闘は続きます。
#おれんじ #オレンジ6 3月1日放送