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遺骨が中国で漢方薬に!? アフリカで横行する”ライオン大量虐殺”の深すぎる闇
2020.924
中国では昔からトラの骨は「虎骨」と呼ばれ、リウマチや関節炎の改善、また滋養強壮の漢方薬として貴重とされてきたが、コロナ禍の影響もあり、「免疫力をあげる良薬」として今、トラの骨を酒に浸した「虎骨酒」が、富裕層の間で大人気なのだという。
とはいえ、2007年のワシントン条約により、世界的に商業目的での取引は禁止されているため、むろん中国でもトラは絶滅危惧種として捕獲禁止とされている。
そこで、ライオンの遺骨を「虎骨」と偽って、中国に販売する輸入ビジネスが今、南アフリカなどで拡大しているという。そんな衝撃的な記事が19日、香港のサウス・チャイナ・モーニング・ポスト紙に掲載された。
同紙によれば、今、南アフリカでは、あらかじめ薬物を投与したライオンなどをフェンスで囲んだ狭い敷地に放し、猟銃の標的とする「キャンド・ハンティング」が一大産業となり、加えて、骨を抜き取り輸出する目的でライオンを捕獲・飼育し、狩猟家に銃殺させる「ライオン牧場」なるビジネスが盛況なのだとか。
《彼らはトラの骨と偽ったライオンの骨を、中国や東南アジアの漢方薬市場で販売している。こうしたビジネスは、南アフリカの野生ライオンの個体数を脅かすまでに急拡大している。(中略)野生動物の取引を監視するNGO『トラフィック』の報告書によれば、ワシントン条約で野生トラの保護強化策が発効された翌年、南アフリカからアジア向けのライオンの骨の輸出量は6倍に跳ね上がった》(同紙より)というのだ。
野生動物の保護に詳しいジャーナリストが語る。
「南アフリカでは現在、農場やサファリパークなど、少なくとも300以上の『ライオン農場』が存在すると言われ、その敷地内では狩猟家に射殺させる『キャンド・ハンティング』が日常的に行われていると聞いています。結果、年間1000頭を超えるライオンがこの狩猟法で殺害され、その骨が中国を中心に輸出に回されている……。しかも、近年はコロナの影響もあり、骨の需要が急増しているといいますからね。余りにも理不尽ですが、骨を抜き取るというだけの理由で、命を落とさなければならないライオンがさらに増えることは間違いないでしょうね」
ある動物愛護団体の調査によると、南アフリカのライオン牧場では1万〜1万2000頭のライオンが「死ぬのを待っている」状態だとされる。中国の漢方薬のために野生動物が“大量虐殺”されていく現実を、認識すべきかもしれない。
(灯倫太郎)
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