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アジアは伝統人形芝居の宝庫です。現代人形劇センターでは、1993年から招聘公演「シリーズアジアの人形芝居」を継続しその魅力を紹介してきました。そのアーカイブからダイジェスト版をお届けします。【布袋戯とは】
台湾の伝統人形芝居 布袋戯(ポーテーヒー)
19世紀に中国大陸南部の福建、広東地方から漢民族の移入と共にもたらされ、その後独自の発展を遂げ、しばしば演劇を凌ぐ人気を誇りました。
大きな特色は、ひとりの語り手兼人形遣いがマスターとして劇世界を一身に司ることです。
左右の手に1体ずつの人形を遣いながら、大勢の楽士を従えて演じます。人形が多く登場する戦闘場面では、助手が加わり芝居を盛り上げます。
【人形】
人形の身長は30cm弱の小さなものです。動画の初めに解説されているように、仕組みはシンプルですが、遣い手の絶妙な指使いで驚くほど繊細に人物の息遣いまでが表現されます。同時に戦いの場面で人形を宙に投げ上げるなど、アクロバティックな演出も特色で、静と動をあわせもつ超絶技巧がみどころです。
【上演の場所と人形舞台】
道教寺院の祭礼などで、寺院の境内に舞台を建て、屋外で上演されてきました。時代が下ると劇場でも上演され、動画の人形舞台のような、華やかなもの(彩楼舞台)も使用されるようになりました。
【言語】
台湾語で上演されます。そのため、ここでは台湾語の表記「ポーテーヒー」を用いていますが、いっぽう、中国語の「プータイシー」の呼称でも親しまれています。
【演じ手】
語りと遣いの双方に高い技術レベルが要求される職業的演者で、楽士も演奏の専門家です。
動画の主演者である小西園掌中劇団の座長許王は、公演当時一、二を争う名人級の演者です。
【演目】
動画で演じられる「水滸伝」のほか、「三国志」「西遊記」等から有名なエピソードが上演されます。
布袋戯は「台湾のシンボル」
台湾では、人形劇は全土に広がり大衆芸能の中心に君臨し続けています。今回紹介する布袋戯は、その源流を伝える様式です。
時代の変化にあわせて変容をとげ、音楽は洋楽が使用され、派手な照明が加わります。また人形もより大きく、顔のメイクも華やかになります。この派手なスタイルは特に「金光戯」と呼ばれます。
上演の機会も寺院の境内や劇場から、1960年代以降はTVへと広がりをみせます。特に1970年放映の「雲洲大儒狭首」は伝説的な番組で、放映時には街頭から人影が消え、職場では欠勤が相次ぎ社会問題となる中、最高視聴率97%を記録したといわれています。
1988年にはケーブルTVに専門チャンネルが開設され、2001年には映画にも進出します。SFX映画「聖石伝説」が当時の映画製作費の最高額を投じて製作され、上映初日の興行成績は同時期のハリウッド映画「タイタニック」を凌ぐほどの記録を残しました。
こうした映像人形劇は、美術的、手法的にも洗練の度を加え、若い世代を中心に支持されます。同年に全島で実施された「台湾のシンボルを探せ」というインターネットアンケートでは、みごと「布袋戯」が一位に選ばれました。
いまは「布袋戯」といえば、主にこれらの新しい人形劇を指すほどで、2016年からは台湾と日本の共同制作による「サンダーボルトファンタジー東離劍遊紀」が、日台両地域で放送され話題となるなど、新しいチャレンジは続いています。
その源流を成す、今回の伝統的様式の布袋戯は、往時のような人気はみられませんが、台湾の優れた伝統芸能としての位置付けを与えられていまも社会的に尊重されています。
出 演:小西園掌中劇団
日本公演:1996年10月
撮影会場:門真市ルミエールホール(10月3日)
主 催:(公財)現代人形劇センター他
撮影:古屋 均
アジアの人形芝居
アジアでは古くから、各地に魅力的な人形芝居が息づいてきました。
その起源は舞踊や演劇よりも古いという言い伝えを持つ土地も多く、そこには人々の信仰、文学、音楽、工芸美術などが結晶しています。
厳しい歴史の中では、しばしば自分たちのアイデンティティ~心のよりどころとしての役割も果たしてきました。
人形芝居は、アジアの隣人を知るためのひとつの扉でもあるのです。
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