“除染”に思う 2013-03-07 玄侑宗久   ・・記憶と記録

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“除染”に思う 
2013-03-07
玄侑宗久
2013年3月7日  “除染”に思う  玄侑宗久
 現在の福島県では、昨年6万1千人まで増えた原発事故からの避難者が、やや戻ったものの、今なお5万7千人あまり全国のよその県に避難しています。高線量に汚染された汚泥も処理できないまま、鈍い光と臭いを放つフレコンバッグは今日も増え続けており、除染計画がまだ策定できない市もあります。
 除染という、今ではすっかり耳に馴染んだ言葉も、国語辞典にさえ載っていない言葉です。その他にも賠償、風評被害、仮置き場、中間貯蔵施設、仮の町など、私たちはこれまで殆んど経験したことのない世界のなかで藻掻いております。
 さまざまな問題が山積している現状ではありますが、ここでは除染の基準に設定されている「年間1mSv」という数値について、思うところを述べてみたいと思います。
 2002年、長瀬ランダウアという放射線量計メイカーによって、全国14万9千箇所の環境放射線量が測定されました。それによると、年間1mSvを超える県が11県ありました。ここで具体的に順位を申し上げることは控えますが、その結果から言えることは、どうも西日本から北陸にかけて、20年前よりも明らかに線量が高くなっており、土壌のせいでもともと線量の高かった岐阜県などを遙かに上回ってきた、ということです。
 2002年の20年前といいますと、中国がちょうど地上での核実験をやめた頃です。それまで中国は、1963年の部分的核実験禁止条約を批准せず、その後20年ちかく地上や空中での核実験をウィグル自治区で繰り返しました。ある調査では、地表での核爆発で放出された総放射線量は、チェルノブイリ原発事故の約500万倍にも上るというデータもあります。そのときの放射性物質が、黄砂に乗って日本に飛来しつづけたのではないかと、私などは思ってしまうのです。
 さて、私の住む福島県三春町は、震災後の地域の子供達を継続的に見守るため、「実生プロジェクト」という組織を立ち上げました。主な事業としては、希望する子供たちの生活のなかでの被曝量を継続的に測り、それによって除染などの生活改善の目安にしていくことですが、他にも全国のお寺さんにお願いし、各地の環境放射線量を継続的に測定していただいております。
 いったい今の福島県各地がどの程度の線量なのか、またそれは日本全国のなかではどのような位置づけになるのか、福島県内に住む者としては切実にそこが知りたいと思ったのです。
 むろん、今回の測定は限られた場所ですから、各県の平均値と申し上げるわけには参りません。しかし、2002年には年間1mSvを超えていなかった幾つかの県が、今回は年間1mSvを超えていたのです。埼玉県、千葉県などは、明らかに今回の福島第一原発の事故の影響と言えるでしょう。しかし、香川県、広島県、三重県、熊本県、大分県、新潟県などにも1mSvを超える地域があったのですが、これについてはどう考えたらいいのでしょう。
 私はべつに、どこもかしこも危険だと申し上げたいわけではありません。
 このような現状を知ったうえで、なおも年間1mSv以下を目指す除染を続けるつもりなのかと、問いかけているのです。
 本来、この年間1mSvという数値は、ずいぶん大雑把な計算式によって導かれたものです。放射能による人体影響を専門に研究してきた放影研などの研究結果から、100mSv被曝すると発癌率が0.5%上がることがわかり、それなら一生の間に100mSvを浴びなければいいと考えて、一生を100年として100mSvを100年で割ったのです。
 しかしその後、1996年にアメリカ人とドイツ人の共同研究によって人間の細胞がもつ修復力についての研究が発表され、放射線によって傷ついたとしても殆んどはその日のうちに修復されることも分かってきました。今ではその計算式が前提にしていた被曝線量の「累積」という考え方さえあまり意味がなくなってしまったのです。
 実験により、自然放射線量を年間2.5mSvから3.5mSvに増やしても発癌率は上がらず、また2.5mSvから1mSvに低下させても発癌率は下がらないことが分かっています。
 そういった実証的な結果があるのに、「それでも不安だから」と、1mSv以下への除染をめざすのでしょうか。
 それなら私は、年間1mSv以上の地区が全国あちこちにあることをはっきり申し上げたい。それらの地区もすべて除染してはどうでしょうか。
 厚生労働省は昨年4月から、一般食料のセシウム摂取制限を100Bq未満とし、また飲料水は10Bq未満としました。アメリカでは1200Bq未満とされ、EUでも1000Bqまでは許容範囲とするなかで、なにゆえ日本では10Bq未満でないと飲んではいけないのか、どなたかそれを合理的に説明できる方はいらっしゃるのでしょうか。日本の名水などと呼ばれる天然水の多くが、これですと飲めなくなってしまいます。
 不安の根拠とはもともとはっきりしないものですが、厚労省や環境省の決定した基準が、そもそも人々の不安を煽っているのではないでしょうか。不安な人々の感情に引きずられ、却ってその不安を正当化しているのです。
 年間1mSvを目指す除染も、飲料水の10Bq未満という基準も、明らかに行き過ぎた数値です。増税や国債でなんとか予算を捻出しようという現実のなかで、こうした行き過ぎた基準がどれほど無駄な出費を招くものか、考えてみてほしいのです。
 郡山市は今後4年間、仮置き場もないままに毎年345億円を除染費用として計上することになりました。人口2万人にも満たない我が三春町でさえ、毎年二十数億円を除染にかけようというのです。
 科学的な根拠が見いだせないのに、いわれなき不安を払拭するために使う経費としては、あまりにも膨大ではないでしょうか。
 国連の科学委員会は昨年12月、今回の事故による認識できる健康被害はなかったと発表しました。世界の専門家たちが集まって出したこの発表を、正面から受けとめるべきだと、私は思います。
 放射性物質や放射線は、むやみに近づいていいものではありません。しかし同時に闇雲に怯えていればいいというものでもありません。まず何より放射線に対する最新の適正な知見を学び、正しい知識によって不安を払拭することが大切です。行政や自治体、科学者やマスコミも、正しい知識を広く知らせてほしい。その上で、「正しく恐れる」ことが求められているのだと思います。
 外部の人々の根拠なき不安にばかり対応し、福島県民にいたずらなストレスをかけないでほしいのです。最悪を想定しておけばそれで済む、というのは、あくまでも傍観者にのみ有効な態度ではありませんか。どうか関係各位には、当事者として、科学的にしかも現実的に、再検討いただきますよう、お願い致します。
2013年3月7日(木) 
NHK総合
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