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これは轍
才能が足りない事を視界の隅に置く事も
理想と現実とが剥離している事も
逆にそんな日々に
酔い痴れる事ができる一夜がある事にも
とっくに限界を感じていたのは
あの時よりずっと前の話だ
勿論
自分の決断に対して後悔は微塵もなかった
誰かの何かのせいにした事も一度もなかった
むしろ
あんな生き方を許してくれた両親には
感謝しかない
ただ
ただ
あれだけの時間を費やしてきた
落とし前をどう付ければ良いかわからなかった
あの道を降りた瞬間
何者でもない「人」になるのが
怖かった
だから
少しずつ水がコップを満たし
一気に零れ落ちるように
新しい生き方を
選択できた時
全てを連れて行こうと思った
今もなお
あの道を紡いで生きている
故に
これは轍