僭越ながら道路交通法第38条第2項を解説しますので添削をお願いします。 道路交通法が難しいとされる所以は、日本語の文法(正式な書き方/読み方)に沿って正確に読む事が必要である為です。残念ながら文法を正確に捉える事は、話題の弁護士さんにも難しい様です。 【第六節の二 横断歩行者等の保護のための通行方法(横断歩道等における歩行者等の優先)】 ※ 条文見出から「"横断歩行者保護"」を目的とし、条文主語にあたる「車両等」が横断歩道等を通過する際の"通行方法"を規定している事が解ります。条文主語「"車両等"」の進行(通過)を基にした記述がされています。 【道路交通法第38条第2項】 ①"車両等"は、横断歩道等又はその②"手前の直前"で停止している車両等がある場合において、当該停止している車両等の③"側方"を通過してその④"前方"に出ようとするときは、その前方に出る前に一時停止しなければならない。 ※ 解釈が必要な部分を解説してみます。 ①"車両等"④ 条文主語となる"横断歩道等"を通過する車両。この車両等の通行方法を規定しています。 ②"手前の直前" ①の通過を基にした位置関係で、通過する車両からみて手前側で横断歩道等がすぐ先にある状況。 ③"側方" ①の通過を基にした位置関係で、通過する車両から見て、当該停止している車両側面に寄る状況。 ④"前方" ①の通過を基にした位置関係で、当該停止している車両の側方③を通過した先。 『その』は連体詞です。正確には『指示語の連体詞』になります。 前述された事柄を『その』が指し示して後に続く体言を修飾します。 つまり、条文にある『その前方に出ようと』は"側方を通過して"という事柄が"前方"を修飾し説明している事になります。 ※ 指示代名詞ではないので、『その』が『当該停止している車両』となる用法はありません。 横断歩道へと繋がる場所に停止車両が存在する場合に、停止車両により陰になる位置に、横断歩道を既に渡っている歩行者がいると、鉢合わせの危険があるので、一旦停止して確認をしてもらう条文で、停止車両の側方を通過すれば直に横断歩道であり、そばを通過する場合に限定されているので、やはり対向車であっても、弁護士さんの言われる通り、停止するべきだと思います。 kzbin.info/www/bejne/roqaZXeebdemm5Isi=W21IHITzDpJAu_9D When overtaking another vehicle or streetcar on one side before pulling in front of it, overtaking…one side before pulling in front of it, 直訳→「越して、片側から前に抜き出る際に」 第3項も解説します。 【道路交通法第38条第3項】 ⑤"車両等"は、横断歩道等及びその⑥"手前の側端から前に"三十メートル以内の道路の部分においては、第三十条第三号の規定に該当する場合のほか、その⑦"前方"を進行している他の車両等(特定小型原動機付自転車等を除く。)の⑧"側方"を通過してその前方に出てはならない。 ※ 解釈が必要な部分を解説してみます。 ⑤"車両等" 条文主語となる"横断歩道等"を通過する車両。この車両等の通行方法を規定しています。 ⑥"手前の側端から前に" ⑤の通過を基に横断歩道の手前側、その端っこの先端から(前/サキ)へという意味。 ⑦"前方" ⑤の通過を基にした進行方向、通過方向。 ⑧"側方" ⑤の通過を基にした位置関係で、通過する車両から見て、同じ進行をする車両側面の付近。側。横。脇。傍ら。 『その前方"を"進行している他の車両』そのは、前述された道路の部分を示します。その部分で⑤の車両進行方向『前方』にあたる部分"を"進行している他の車両になります。 こちらは、『"文法通り"』に読めば、対向車線を含む理由がない文面になります。