Excellent observation of, vacuum effects on gyroscope rotation ... ....appreciated.. though it is not in English.. the presentation is fabulous...both the teachers are excellent...plk
面白い実験ですね。これが長く維持できれば、フライホイールによる蓄電も夢ではなくなりとても重要だと思います。実際に実験してみた人はとても少ないと思いますので、非常に重要な実験だと思います。 ところで、減衰については、釈迦に説法かも知れませんが、もし、コマの電磁放射の影響も無く、宇宙に底部の磁石とコマの磁石と理想化された絶対に動かないテーブルと理想化された一定の重力 mg しかなく、かつ、底部の磁石が振動して摩擦による減衰を起こさず、コマの内部のひずみも無く、渦電量も発生せず、磁性体のヒステリシス損質もなく、重力波も発生しないような理想化された状況では、位置エネルギーと運動エネルギーの和、つまり力学的エネルギーが保存されるのでコマ自体がどのように振動しても、純粋力学的には減衰は発生しないものと思われますが、現実には減衰しますね。それは、ご指摘の通り、(真空の)箱の外の磁場との相互作用により、箱の外の物体を振動させてしまっていることもありますし、それと本質的に同じですが、その地磁気版があります。さらに、装置の土台の磁石を振動させてしまたことによる土台とテーブル間の摩擦による減衰や、コマの磁石が加速度運動をすることによる電磁放射の影響があります。また、電磁現象が起こす力やエネルギーのレベルに比して比率的に小さいので無視してよい程度ですが、厳密に言えば重力波の放射の影響もあります。他の人も指摘してますが、渦電流による損失もありますし、磁性体のヒステリシスによる「鉄損」もあります。 [初歩的なおさらい] 以下は専門家には釈迦に説法になる大学学部レベルの力学の初歩になります。 コマは後に説明するとして、質点 m の場合、3次元位置ベクトルをx、ポテンシャルエネルギーがφ(x)と書けるとき、質点にかかる力はF=-gradφとなり、ニュートンの運動方程式は、m d x^2 / dt^2 = F となりますが、この時、運動エネルギー V = (1/2) v m v^2とポテンシャルエネルギーφの和であるところの力学的エネルギー E = φ + V は、保存されます。 コマの場合は、無数の質点の集合体とし、「質点間にかかる力はエネルギーの増減に関与しない・・・(10)」と考えると、コマ全体の力学的エネルギーは保存されます。 しかし、(例えばゴムのように)コマの剛性が低くて質点間の距離が変化する場合には、(10)の仮定が成り立たなくなるため、力学的エネルギーは摩擦熱として失われていきます。 また、ポテンシャルエネルギーがコマの位置ベクトルxだけでなく、時間tにも陽に依存しφ(x, t)と書ける場合には、一般的には力学的エネルギーは保存されません。これはどのような場合かといえば、ポテンシャルエネルギーを作り出しているところの、「外部環境」が陽に時間変化する場合です。それは、土台が摩擦力を伴って振動する場合や、実験環境以外の外部から磁場が時間変化するような場合です。直感的に言えば、コマが同じ角度(傾き)で同じ場所に来た時には全く同じ力がコマにかかるような場合には、力学的エネルギーが保存しますが、コマが同じ角度(傾き)で同じ場所に来ても、以前とは異なる力がかかる場合がある場合には、一般には力学的エネルギーは保存しません。 また、既に述べましたが電気や磁気を帯びたものが加速度運動した時には電磁波が発生しますのでそれによる損失もありますし、磁性体の場合、磁場Hと磁束密度BのグラフであるところのBH曲線が磁気履歴を持つので、鉄損と呼ばれる損失もあります。渦電流の発生により電気抵抗による損失もあります。