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夏目漱石:こころ 中 九~一八
父の病気は最後の一撃を待つまぎわまで進んで来て、そこでしばらく躊躇するようにみえた。郵便物を受け取った私はすぐ不審を起こした。裏を返して見ると、そこに先生の名がつつしんだ字で書いてあった。「この手紙があなたの手に落ちるころには、私はもうこの世にはいないでしょう。とくに死んでいるでしょう」その時私の知ろうとするのは、ただ先生の安否だけであった。そうして思い切ったいきおいで東京行び汽車に飛び乗ってしまった。私は袂から先生の手紙を出して、ようやくはじめからしまいまで目を通した。
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1:14 九
7:49 一〇
14:06 一一
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26:43 一三
32:40 一四
39:04 一五
45:10 一六
51:59 一七
58:18 一八
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