いくつかコメントしてる人もいますが、「x 軸方向に a だけ、y 軸方向に b だけ並行移動したとき、なぜ x が x - a 、y が y - a になるのか?」について。 まず、一般的な曲線の方程式 y = f(x) を、「x 軸方向に a だけ、y 軸方向に b だけ並行移動」してみます。 ポイントは、「移動前の元々の曲線上の点を (x,y) と小文字でおき、その点を平行移動した点を (X, Y) と大文字でおいてみる」ことです。 (x, y) を並行移動した点が (X, Y) なのですから X = x + a、 Y = y + b…(1) となります。ですからそれぞれ移項して、 x = X - a、y= Y - b …(2) となります。 式(2)で表される x, y は、点 (x,y) が y = f(x) 上の点なので、この方程式を満たします。故に、y = f(x) に式(2)を代入して、 Y - b = f(X - a)…(3) となります。 式(3)は、変数は全部大文字ですね。つまり平行移動した点 (X,Y) が満たす方程式です。 すなわち、式(3)は平行移動後の曲線の方程式になります。 通常は、ここで大文字でなく小文字に戻します。もちろん、この小文字は元々の曲線の点 (x,y) の意味ではなく、一般的な変数としての x, y の意味です。つまり以下のように表します。 y - b = f(x - a)…(4) 式(4)と y = f(x) を比較すれば分かるように、x は x-a に、y は y-b に変わっています。 考え方のミソは(1)から(2)への変形の部分で、これは「並行移動後の点 (X,Y) を元の曲線に戻すためにはなんぼ動かすのか」という発想です。 ですから、 +a だけ並行移動したのに、x が x-a に変わるわけです。 「x は x-a に、y は y-b に変わる」という「ルール」を覚えるだけでは、あまり良い勉強とは言えません。 数学の本質を理解していないただの暗記作業だからです。 ちゃんと意味を理解した方が確実に伸びます。