絵と地形地質 10 三浦半島先端付近の奇岩3景(神奈川県三浦市 横須賀市)

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絵と地形地質

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#油絵#地形#地質#三浦半島#三浦市#岩礁のみち#城ヶ島#馬の背洞門#弁天島#三浦層群#三崎層
タイトル:三浦半島先端付近の奇岩3景 (神奈川県三浦市 横須賀市)
編集ソフト:google earth ダヴィンチ リゾルブ
音声読み上げソフト:音読さん
BGM: (youtube audio library より)
スタート画面のタスキ:自然の造形美か! 侵食地形の妙
絵について
絵の1 奇岩 吠える サイズF12
絵の1は三浦半島先端の三浦市南下浦町の盗人狩付近にある奇岩で、恐竜か怪獣か?それともカメレオン? 海に向かって吠える様にも見えるので題名を「奇岩 吠える」にしました。
絵の2 馬の背洞門 サイズF12
絵の2は三浦半島最先端三浦市三崎町の城ヶ島にある海食洞です。馬の背のような出っ張った突出部に穴が開いているため、馬の背洞門と呼ばれています。
絵の3 縞模様が目立つ荒崎海岸の弁天島 サイズF50
絵の3は荒崎海岸の弁天島を中心とした海岸風景です。波浪による侵食などであらわになった岩肌は不思議な縞模様で飾られ独特の景観を示しています。
弁天島には絵のように松が生えていましたが、2023年秋に再び訪れた時には残念ながら枯れていました。
絵の4 夜の弁天島 サイズF6
絵の4は絵の3と同じ弁天島ですが、別の角度から夜の風景として幻想的に描きました。
2. 地形について
三浦半島の地形は地形・地質学的に北部・中部・南部の3つに区分されます。
絵で描いた奇岩3景は三浦半島の南部にあり、三浦市の南端部および三浦市に隣接する横須賀市の南西端部に当たります。これらの地域周辺は平坦な地形の台地が広く分布しますが、台地と海とが接する箇所では比高約20m程度の海食崖およびその前面には小規模の隆起海食台が形成されています。
三浦半島南部に分布する台地は古い順に引橋面、小原台面、三崎面という3段の段丘平坦面より成り、それぞれ約12万年前、約10万年前、約8万年前に生じた平坦面で、約12万年前の下末吉海進およびこれに引き続く2回の海進極大期に対応しているとされています。絵の3景とも風化と侵食により台地本体から切り離された岩体、あるいは切り離されつつある岩体であり、周辺には小規模の隆起海食台を伴っています。
絵の3の遠景に見えるほぼ水平な稜線状の地形は約8万年前の波食台を起源とした段丘(台地)で、この段丘面は三崎面と呼ばれています。絵の3にはこの段丘上にある長井海の手公園ソレイユの丘(遊園地)の観覧車などが見えていますが、この公園はかつての横須賀長井飛行場跡地の南端部を利用して設けられています。三崎面は形成年代が新しいために広い平坦面が残っており、小規模の飛行場を構築するには適地であろうと想像されます。しかし、自然の地表面は関東ロームが載っており、掘削した土は強度が著しく低下した厄介な土に変わります。
三崎面が形成された約8万年前以後、約2万年前の氷期最盛期に向かって海面は100m以上低下し、海は数km沖まで退きます。その後、6000~7000年前の縄文海進最盛期における海面は現在よりも約2~3m上昇し、その時々の海水準の影響を受けて地形を変化させてきました。
絵1から絵4の近景のゴツゴツした岩礁より成る平坦な磯の大部分は大正12年の大正関東地震による隆起によって当時の海面下すれすれに隠れていた波食台が水面上に現れた隆起波食台です。三浦半島南部では元禄関東地震と大正関東地震による隆起量はほぼ同じであり、1.1~1.7m程度の隆起を伴っています。
3. 地質について
三浦半島には新第三紀中新世の葉山層群と新第三紀中新世から鮮新世の三浦層群が不整合の関係で分布しています。半島南部では三浦層群が分布し、三崎層と初声(はっせ)層に区分されています。
絵の1や絵の3付近は三崎層が分布し、絵の2の城ヶ島にある「馬の背洞門」付近には初声層が分布します。城ヶ島と対岸との間の海峡には東西方向に地層の背斜軸があります。背斜軸の南側の城ヶ島では南に向かって上位の地層が分布することになり、北岸側には三崎層が分布し、南岸の馬の背洞門付近には初声層が分布しています。また、図の1の周辺では奇岩の縞模様で分かるように地層が大きく傾いていますが、南側の背斜軸の存在が大きく関わっています。
三崎層は新第三紀中新世の中期~鮮新世、約1200万年~約400万年前に水深2,000~3,000mの深海に堆積した地層です。三崎層は三浦半島の南方の海底に堆積したシルト岩と火山の噴出物である凝灰岩が起源であり、この堆積物を載せたフィリピン海プレートの北上により圧縮され、折りたたまれて形成された地層であろうと考えられています。あるいは、三崎層には特異な地質構造のデュープレックス構造*1が認められ、デュープレックス構造は付加体の指標になるとされることから、三崎層の一部はフィリピン海プレートの海溝での沈み込みに伴い、表面の堆積物がはぎとられて日本列島に付加した最も新しい付加体であろうとされています。このように、三崎層の形成については研究者によって解釈が異なっていますが、地層の堆積と変形を伴う形成過程、その後の隆起や変形および風化や侵食を経ることにより、絵の1や絵の3のような縞模様の奇岩が生まれました。
一方、三崎層を被う初声層は凝灰質砂礫岩~凝灰岩より成りますが、水の流れを示すクロスラミナが発達することから水深 200m 以浅の比較的浅い海で堆積したと推定され、浅い海へと、環境が変化したことを示しています。
絵の3の荒崎海岸の三崎層は白っぽい凝灰質シルト岩と黒っぽいスコリア質凝灰岩が繰り返している互層であり、両者の岩質の違いが侵食に対する抵抗力の違いとなり、黒っぽい凝灰岩が侵食されにくいために出っ張っています。岩質の調査によれば、侵食に対する抵抗は岩石の硬軟ではなく、吸水膨張と脱水収縮が大きく関与しているとされています。スコリア質凝灰岩はシルト岩より軟らかい(強度が小さい)のですが、吸水膨張と脱水収縮が小さいので岩石自らの破壊現象(風化)が少なく、したがって侵食されにくいと考えられています。
三崎層の上位にはより堆積時代の新しい初声層あるいは砂や礫よりなる段丘堆積物が分布することがあり、これらは最上位の関東ローム層に覆われています。関東ローム層は畑作には適しているとされ、関東ローム層に覆われた三浦市一帯の台地の多くは畑地として利用されています。三浦大根の名はよく知られていますが、現在は青首大根に替わり、三浦大根はわずかであるそうです。
【注】デュープレックス構造*1:特定の地層が衝上断層(低角度逆断層)の繰り返しによって瓦を斜めに重ねたような構造(覆瓦状構造)を呈するもので、付加体の比較的深部での底づけ作用によって形成されると考えられています。
4. 参考資料
・宍倉正展・越後智雄 2001 1703年元禄関東地震に伴う三浦半島南部の近く上下変動 -離水波食棚・生物遺骸の高度分布からみた検討- 歴史地震 第17号 32-38頁
・蟹江康光 1998 相模湾をしらべる‐深海から生まれた三浦半島 JAMSTEC 第10巻 第3号
・鈴木隆介・高橋健一・砂村継夫・寺田稔 1970 三浦半島荒崎海岸の波蝕棚にみられる洗濯板状の起伏の形成について 地理学評論 43-4
・地盤工学会 関東支部神奈川県グループ編 2010 大いなる神奈川の地盤 その生い立ちと街づくり 技報堂出版 
・神奈川の自然をたずねて編集委員会編著 2006 神奈川の自然をたずねて(2刷) 築地書館
・地質図表示システム 地質図Navi 地質調査総合センター(1/5万地質図幅 横須賀 三崎参照)
・地理院地図(電子国土Web)

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