絵と地形地質 8 洒水の滝

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絵と地形地質

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Күн бұрын

#地形#地質#油絵#風景#山北町#足柄山地#足柄層群#金時山
タイトル:洒水の滝
位置:神奈川県足柄上郡山北町平山
編集ソフト:google earth
      ダヴィンチ リゾルブ
      音声読み上げソフト:音読さん
BGM:69 ブロンコ DJウィリアムズ(youtube audio library より)
スタート画面のタスキ:断層の下流側が侵食されて落差の大きな滝に
1. 絵について
絵1 洒水の滝 その1 サイズF10 横
洒水(しゃすい)の滝は、酒匂川(さかわがわ)の支流の滝沢川にかかっています。絵の1は赤い橋の手前から洒水の滝を見上げています。落石の危険があるため、赤い橋から先は通行できません。
絵2 洒水の滝 その2 サイズM30縦
絵の2は右岸の杉林越しに洒水の滝を眺めています。手前の白い花はヤマアジサイの仲間でしょう。
2. 地形概要
洒水の滝(しゃすいのたき)は神奈川県山北町(やまきたまち)の南端付近、御殿場線山北駅の南西約2kmにあります。滝は3段から成り、下流側から順に落差は一の滝が69m、二の滝が16m、三の滝が29mで、赤い橋の手前から見えているのは一の滝です。
洒水の滝がかかる滝沢川は標高870mの矢倉岳の北西斜面を源とし、足柄山地を概略北北東方向に流れ、洒水の滝付近で東に向きを変え、山地を抜けて平山の集落を横断して酒匂川に流入しています。足柄山地は箱根火山と丹沢山地に挟まれた小規模な山地であり、最高峰は箱根火山の外輪山である金時山(南足柄市:標高1213m)です。金時山は矢倉岳とともに丸く突出したような山容が目立っています。
洒水の滝が形成される要因としては、地殻変動による地盤の上昇と侵食および断層の存在が大きく関わっています。洒水の滝周辺には平山断層が横断しており、断層付近を境にして下流側が侵食されて滝が形成されたと思われます。足柄山地が隆起するとともに断層の活動も加わり、下流側が選択的に侵食を受けて大きな落差が生じた、あるいは丹沢山地の隆起とともに当時の酒匂川との合流点(現在の山地末端部付近)に生じた段差(懸谷)が上流方向に後退して断層と出会うことによって大きな落差に成長したとも考えられます。
平山の集落周辺の平坦面は山北面や平山面と呼ばれる酒匂川の河岸段丘であり、畑地・果樹園・宅地などに利用されています。この付近は丹沢山地や足柄山地と足柄平野の境界付近に当たり、地盤の隆起と沈降がせめぎあっているかのような場所です。一般に、連続的に隆起すると流れは速くなりV字谷が形成されるのに対し、安定または沈降すると流れは緩やかになり河川敷の広い流路となります。
3. 地質概要
北側を丹沢山地、南側を箱根火山に挟まれた足柄山地には足柄層群および箱根火山の溶岩や火砕岩が広く分布しています。伊豆半島はかっては南方の火山島でした。この島がフィリピン海プレートに載って日本列島に近づくと丹沢と伊豆の間の海峡は徐々に狭く浅くなりました。約100万年前、伊豆が丹沢に衝突すると丹沢は急激に隆起し、隆起したことによって侵食は激しくなりました。侵食された砂礫は浅い海峡に運搬され堆積し、海峡は埋積されました。新生代第四紀更新世前~中期、約200~70万年前にかけて、海峡に堆積した地層を足柄層群と呼んでいます。
足柄山地において丸く突出したような独特な山容が目立つのは金時山と矢倉岳です。矢倉岳は足柄層群の堆積層中に貫入した深成岩の花崗閃緑岩より成り、貫入後の周辺の隆起と侵食により現在の山体が形成されました。金時山は足柄層群が陸化した後に噴出した箱根火山群の中の1つの成層火山であり、山体が崩壊してその一部が外輪山として残りました。
洒水の滝周辺には礫岩主体の足柄層群の瀬戸層が分布しています。河床には大小の礫岩が転がっていますが、この礫岩は当時の海峡が狭くなり陸化する頃の堆積物であり、その形状は玉砂利をセメントで固めたコンクリートブロックのようです。礫岩中の礫は角が取れ、現在の河川の中流から下流域あるいは河口域に分布するような丸みを帯びた礫です。
4. 周辺の活断層
プレート説によると、伊豆小笠原弧を載せたフィリピン海プレートは日本列島の下に沈み込んでおり、沈み込めなかった伊豆島は日本列島に衝突して現在の伊豆半島として日本列島を押し続けていると考えられています。足柄山地は伊豆半島の衝突に伴い、深い海から海峡を経て現在の山地になったとされており、現在も地殻変動の活発な地域であって、その周辺には多くの活断層が存在しています。
足柄層群の北縁では丹沢との境界となる神縄(かんなわ)断層が東西方向に走っています。神縄断層は足柄平野の東縁をなす国府津(こうづ)-松田断層とともに一連の活断層群とする考えがありましたが、神縄断層そのものは遅くとも 35 万年前までには活動を停止したものと判断され、現在は活断層帯から除外されています。政府の機関である地震本部では一連の活断層帯を塩沢断層帯・平山-松田北断層帯・国府津-松田断層帯の3つに区分し、フィリピン海プレートの沈み込みや伊豆の衝突の影響を受けて、活動度、走向、変位の向き等が変化してきた特殊な断層帯と位置付けています。これらの断層帯は関東地震と呼ばれる相模湾を震源とする海溝型地震において活動してきた断層群と考えられていますが、1923年の大正関東地震でも1703年の元禄関東地震でも動きませんでした。大磯丘陵の隆起および足柄平野の沈降など現在の地形を説明するためには大正関東地震でも元禄関東地震でもない別の地震があるとの考えから、研究者によっては上記の一連の断層が動くような地震を想定しています。
なお、平山-松田北断層帯は平山断層、日向(ひなた)断層、内川断層、丸山断層、松田山山麓断層、松田北断層で構成されており、洒水の滝付近には平山断層が北東-南西方向に走っています。
【参考】
丹沢山地は伊豆半島の衝突により地下深部の岩体が地表に現れるほど隆起してきましたが、大正関東地震では沈降しました。一方で、現在のGPS観測によれば隆起を続けています。
4. 参考資料
・地震調査研究推進本部地震調査委員会 2015 塩沢断層帯・平山-松田北断層帯・国府津-松田断層帯(神縄・国府津-松田断層帯)の長期評価(第二版)
・小田原啓2009 かながわ露頭マップ ~「平山断層」 神奈川県温泉地学研究所観測だより 第59号
・徐垣(Wonn Soh)1995 足柄層群南縁の衝上断層(日向断層)とその地震テクトニクス上の意義 地質学雑誌 第101巻 第4号 295-303
・地盤工学会 関東支部神奈川県グループ編 2010 大いなる神奈川の地盤 その生い立ちと街づくり
・神奈川の自然を訪ねて編集委員会 2003 神奈川の自然を訪ねて [新訂版]日曜の地学20 築地書館
・見上敬三監修 奥村清編 1981 改訂神奈川県地学ガイド 神奈川県の地質とそのおいたち コロナ社 
・山北町ホームページ ホーム>観光情報>自然・動植物>洒水の滝
www.town.yamak...

Пікірлер: 2
@takizukan
@takizukan 7 ай бұрын
実際に行ったことがあるので、絵の上手さがさらに分かります。 詳しい情報もありがとうございます。
@絵と地形地質
@絵と地形地質 7 ай бұрын
コメントありがとうございます。その内容、うれしく思います。
How Strong is Tin Foil? 💪
00:26
Preston
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Поветкин заставил себя уважать!
01:00
МИНУС БАЛЛ
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Preston
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