狙われる軽トラック…車検シールは“丈夫で長持ちの象徴” 円安背景に海外で人気 「盗難」→「密輸」のケースも【LIVEしずおか特集】

農業や漁業の現場でとっても役に立つ軽トラックが狙われています。実はいま、盗難被害が相次いでいて警察が注意を呼び掛けています。背景にあるのは、海外での「軽トラ人気」。軽トラを窃盗犯から守るヒントを探りました。
温室トマトの収穫の最盛期を迎えた静岡県磐田市の農園。忙しい農家の助けとなるのが、軽トラックです。四輪駆動の軽トラックは、収穫したものを荷台に乗せ、ぬかるんだ道も気にせず一気に運ぶことができます。
軽トラックを使うメリットは他にもあります。
＜トマトの鈴木　鈴木章弘さん＞
「レンコンなんかを荷台に乗せて洗う作業台としても。丁度良い腰の高さ。トラックとして以外の使い方も良くします」
近年は「軽トラ市」が各地で開かれるなど売り場の役割まで果たしてしまう軽トラック。農家にとっては欠かせない商売道具ですが、その管理状況はさまざまです。
＜トマトの鈴木　鈴木章弘さん＞
「カギを抜いて、カギを例えば車内のどこかにおいて、ドアはロックせず離れる人は多いって聞きますね」
農家にとっての「宝物」軽トラックを狙った犯行が相次いでいます。警視庁がまとめた車名別の盗難台数を確認すると、名だたる高級車の中に軽トラックが名前を連ねています。
なぜ、軽トラックは窃盗犯から狙われているのか。軽トラックを数多く扱う販売店で話を聞くとこんな実情が見えてきました。
＜松下モータース　鈴木圭太店長＞
「軽トラックの売り場になります。本当はここは軽トラックでいっぱいだったんです。ちょっと売れちゃってこれだけになって。人気なのが伝わるかと思います」
軽トラック人気を後押ししているのがキャンプブームです。仕事用だけでなく、趣味に使う層が国内では増えているそうです。そこに拍車をかけたのが海外での軽トラ人気です。
＜松下モータース　鈴木圭太店長＞
「かなりコンパクトなんですよね。それが向こうにはないんですよね。この日本規格の小さな軽トラックは『カワイイ』とか『カッコイイ』になる」
軽トラックは日本独自の規格で小回りが利くサイズ感とメンテナンスの簡単さが特徴です。車検シールは「丈夫で長持ちする日本産」の象徴になっています。歴史的な円安によって割安で買える軽トラックは、海外での人気がどんどん高まっています。
こうした背景から盗難された軽トラックは海外に密輸されるケースもあります。軽トラックを守るためには、防犯知識を身に着けることが必要です。
＜静岡県警生活安全企画課　尾藤厚至課長補佐＞
「例えば、車の前に障害物を置いて、物理的にもう車を動かせないようにするといった対策も効果的であります。光が出るセンサーを設置するというのも犯人としては嫌がるところでありますので、そういった環境を整備すると思うということも効果的であると言えます」
軽くて丈夫な軽トラックはエンジンがかかっていなくても、比較的簡単に車体を動かせてしまうという問題があります。大事な車を守るには、鍵をかけることだけでなく複数の対策を施すことが重要なポイントになります。
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