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下痢起因性大腸菌（病原性大腸菌）
大腸菌（感染型・生体内毒素型）は、グラム陰性無芽胞桿菌通性嫌気性で周毛性の鞭毛をもつ。無芽胞菌であるため、一般的に摂取直前の加熱処理は有効である。病原性大腸菌は、次の５つに大別される。①腸管病原性大腸菌：摂取後の潜伏期間は、約12時間で発熱、下痢、嘔吐、腹痛を引き起こす。②腸管組織侵入性大腸菌：赤痢様の症状（粘血便、腹痛、発熱）を引き起こす。③腸管毒素原性大腸菌：腸管内で毒素（エンテロトキシン）を産生してコレラ様の下痢を引き起こす。④腸管出血性大腸菌：腸管内でベロ毒素を産生して激しい腹痛を伴う血便、下痢、溶血性尿毒症症候群（HUS）、脳症などを引き起こす。腸管出血性大腸菌には、O157：H７の血清型をはじめ、O111、O145、O26など60種以上の血清型が認められる。三類感染症に指定され、新興感染症の一つでもある。⑤腸管凝集付着性大腸菌：乳幼児の持続性下痢の原因となる。