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奈良県南東部、西に大峰山脈、東は台高山脈と「近畿の屋根」と呼ばれる紀伊山地の深い山々に抱かれた上北山村。その上北山村内の東側、大台ヶ原を源流とし下北山村の池原ダムに流れ込むのが東ノ川で、その東ノ川流域のうち上北山村に属する地域を指して「東ノ川」と呼ばれます。
上北山村の中心部がある北山川本流とは大台ヶ原から伸びる険しい山並によって隔たれ、東ノ川は地形的な閉鎖性が非常に強い隔絶地となっていますが、江戸時代には現在の上北山村中心部から移住した方々によって開拓され、かつては東ノ川に沿っていくつもの集落がありました。
その後、1962年に坂本ダム、1964年に池原ダムと電源開発により相次いで巨大なダムが建設されると東ノ川地区の全ての集落が水没、それにより多くの住民の方は東ノ川を離れましたが、水没した集落の代替地としてダム湖のほとりにわずかな宅地を造成し、新たに出合・宮ノ平・名古瀬(ナゴセ)の3つの集落が造られました。
後編は、もう今は誰も住む人のいなくなった東ノ川に遺るその3つの集落のうち、東ノ川小中学校や東の川簡易郵便局があった宮ノ平集落と今も地形図にその名が残る名古瀬(ナゴセ)集落を訪ねます。