『パウエルFRB 迷走の代償』を編集者が熱弁【一冊入魂】

『パウエルFRB　迷走の代償』（日本経済新聞ワシントン支局首席特派員・高見浩輔著）の読みどころを、編集担当の石純馨が語ります。
　シリコンバレーバンクの経営破綻を象徴とする金融市場の混乱。その鍵をにぎるFRBの金融政策はどのように決まり、どのように市場に影響を及ぼしたのでしょうか。歴史的な転換点にあるFRBの政策決定の舞台裏を、本書は現地記者ならではの生の声を通してドラマチックに描きます。
　40年ぶりの高インフレに苦闘したFRB。当初の「インフレは一時的」との読みは外れ、大インフレは長期間にわたり続いています。一転して行われた急激な利上げは、銀行の破綻という副作用を伴いました。
　政策金利の影響が経済に現れるまでには時間がかかります。FRBの利上げの判断がこれほど後手に回ったのはなぜなのでしょうか。著者はその本質的な答えを、FRB議長パウエルのリーダーとしての資質に見ました。
　公的な組織のトップは、現代においては説明責任を果たすことが一段と重視されます。パウエルはそうした、カリスマなき時代の申し子と言えます。本書では、多方面に配慮しようとするパウエルの人柄から、政治的・社会的な影響要因、豊富なインタビューから見える舞台裏までを、現地記者の視点から解説します。
【関連書籍】
『パウエルFRB　迷走の代償』
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