日本ストリップに見るエンターテイメントの根源性

#日本ストリップを学問する
ミュージシャン: Ahmed Sirour
URL: ahmedsirour.com
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現代社会において、エンターテイメントは、大量消費と情報過多の渦中にあり、その本質は、しばしば忘れ去られているが、エンターテイメントの根源に目を向けると、そこには、ユーザーへの共鳴と心の寄り添いという、普遍的な価値が存在しているのである。
エンターテイメントは、人々の心の深層へと浸透し、それが広がって、社会文化的な記憶を形成していく側面を持たなければいけない。
1. 人々の心への共鳴
ビートルズのような世界的な人気を誇るアーティストは、数百万、数千万のファンを獲得し、マスカルチャーを形成する。しかし、彼らの音楽が世界中の個々の人々の人生に寄り添うという事実を見逃してはならない。例えばビートルズの音楽は世界中で愛されているが、誰かがどこかでビートルズの音楽を聴くとき、それはビートルズと一対一なのである。
ビートルズの楽曲は、喜び、悲しみ、愛、希望といった、普遍的な人間の感情に共鳴し、個人の心の奥底に響き、人生にまで、影響を及ぼす。
日本のストリップは、エロチックなジャンルでありながら、観客の潜在的な無意識の孤独感や、時代ごとの社会経済情勢等においておこる心の傷に寄り添う文化として発展してきた。これは、世界におけるストリップ文化の中でも、特筆すべき日本ストリップだけの特殊点である。
日本ストリップは、単に動物的なオスとメスの肉欲を刺激して楽しむものではなく、観客の無意識かに、そっと浸透していく舞踏芸能である。
観劇後、しばらくしてから、ジワジワと、心に染みてくるのである。
そもそも、人間は時として、本当の孤独の状態の時には、孤独、という言葉の枠より、絶望感、という言葉の枠に陥ることがある。
そういうときに、そっと思い出される、
心にレコーディング、されていたもの…、
、それこそが、嗜好のエンタメなのである。
にほんのストリッパーは、観客の視線や心のあり方に気を配り、個々の観客の感情に寄り添うパフォーマンスを行う。観客は、踊り子の、身体表現を通して、自分自身の心の、奥底、に触れ、癒しや歓喜の思いを得る。これは、ストリッパーのパフォーマンスが、個人の心理に直接的な影響を与えることを示している。
3
心の記憶と文化的遺産
ファンにとって、お気に入りの踊り子の演目は、知らず知らずのうちに、ごくごく個人的なことではあるが、人生の中で、ことあるごとに思い出されるのである。これはストリッパーのパフォーマンスが、個人の記憶に深く刻みこまれ心の支えとなることを示している。今は亡き、77年間の間の伝説のストリッパーたち、の存在は、まさにそうして、人々の人生の深層に、名前が、刻まれてきたのだ。
先じて説明したように、エンターテイメントの本質は、観客との共感と共鳴にある。それは、大勢の観客を相手にしているとしても、結局はひとりひとりの心に寄り添う行為である。エンターテイメントは、観客の記憶に残ることで、心の支えとなり、文化的遺産として継承されていくのである。
日本ストリップは、社会的に下層の大衆文化であるからこそ、芸能の本質と根源性を体現している文化だと研究対象になり得るのである。
単なる風俗と考えるのは
戦後日本の歴史的、そして文化思想的には
現代においては、間違いであると言える。