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君の記憶の中にいる僕は、やっぱり泣き虫な子供のままなんだろうか?
僕が鬼ごっこの最中に転んでしまった時や、お気に入りのおもちゃを別の子に取られてしまった時に、君はいちばんに駆けつけて来てくれたね。
「だいじょぶ? なかないよ。だいじょぶだよ。」
僕は割と我慢強い子供だったし、ちょっとやそっとのことでは泣かない方だったけど、君はいつも「なかないよ」と言って僕を慰めてくれた。
それが僕は嬉しくて、君の前では泣き真似をするような狡い子供になってしまったけど、純粋な君はそんな僕も真っ直ぐに受け止めてくれて、いつのまにかそんな君に助けられるようになっていたんだ。
あれから季節は幾つ巡ったんだろう。
いつまでも君と居られるような錯覚を起こしていたけど、君は大人になってしまって。
春は出会いの季節だけど、別れの季節でもあったんだね、そういえば。
君が大学に合格して上京することになった知らせを聞いたのが2週間前で。
それからはもうあっという間で、僕は昨日上りの列車に乗り込む君を見送った。
「だいじょぶだよ?泣かないの。」
嗚呼、いつになっても君の前では僕は子供のままで。本当には流したことなんかなかった涙のはずなのに、おかしいな、止まらなくて。
君と一緒に居られるならいつまでも子供のままで良かったな、なんて思ってしまうけど。
いつまでも泣き虫のままではいられないから。
僕もおとなになって、君の傍にいても泣かないでいられるように、なるから。
待っていてね。
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