武宮先生の宇宙流って、今回ご紹介のこの打ち方を白がすると、通常の囲碁用語の意味での「宇宙」にはならないですよね。しかし、実際には、武宮先生が多用した一間バサミに対してこのトビからかけの定石を使う白のプロはかなり少なかったので、宇宙流の棋譜が多数できたと思います。少なくとも、当時の他のプロは、この動画の白の打ち方は地が甘いということで、あまり好まなかったように記憶しています。同様に、武宮先生にとっても、「自然流」が宇宙流の基礎であり、実は模様を形成するテクニックそれ自体よりは、隙あらば地に転向するテクニックのほうがむしろ上手だった感じがあります。この辺、小林先生とか、武宮先生の黒番より白番を褒めていたりしたこともありますよね。 個人的には、 AI 活躍以降は、三連星が主張する「大模様」は、ダイレクト33を即使用したくなる感じで、体感としても「小さく」しか見えません。おじさんの私は、昔は三連星からの大模様が大きく感じられたので、自分の感性の変遷が興味深いです。