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國井善弥(くにい・ぜんや/1894~1966)
鹿島神流・第十八代宗家。
福島県出身。本名を道之、善弥は武名。
修業時代には馬庭念流や新陰流などを学んだという考察もある。
幾多の他流試合では常に相手が望む条件で試合を受け、生涯不敗であった。
その圧倒的な武藝の実力から「今武蔵」と呼ばれる。
明治神宮にて奉納演武の際、他流派に立合いを求めた為に、その後数年間は奉納演武への出場を禁止されたというエピソードもある。
「明治神宮武道場・至誠館」の第二代館長、現名誉師範の稲葉稔氏は、國井善弥に教えを受けている。
鹿島神流は剣術と柔術を中心に、抜刀術、薙刀術、棒術、杖術、槍術、手裏剣術を含む総合的な武術である。防御と攻撃を常に同時に行い、剣を振りかぶらずに一挙動で打つ、全ての技法に裏技が存在する、といった「五ヶ之法定」と呼ばれる原則を元に基本が構成されており、柔術や他の武器術もこの原則によって剣術と同じように行うことが出来るという。
流祖を鹿島氏の家老であった松本備前守正信とし、流派に伝わる剣術奥義「一ノ太刀」の発案者であり、極意を記した「天狗書」は松本の直筆とされる。
天保14年の「武術流祖録」には、新陰流を大成した上泉伊勢守信綱が、この松本備前守に師事したとある。