インフルエンザウイルスの増殖過程 ～No 15 三学会合同呼吸療法認定試験対策 シリーズ～

[@shubityyy]

不活化したウイルスは何が違うのでしょうか？（通常はHAが糖蛋白質と結合して侵入するところが、不活化したウイルスは何で侵入しないのでしょうか？）

[@ツナマヨエビマヨ-u3s]

活性化していないウイルスでは、糖タンパク質との結合ができないからです。 HAは花のような形をしていて、花びらのような外側の構造(HA1)とめしべのような内側の構造(HA2)からなり、柱頭(HA2の先端)で糖タンパク質と結合します。しかし活性化していないHAは蕾のような状態で、柱頭(結合部位)が露出していません。そのため、不活化ウイルスでは糖タンパク質に結合ができず、侵入できないのです。

[@ツナマヨエビマヨ-u3s]

一部訂正します 結合できないのは糖タンパク質に対してではなく、細胞側のエンドソーム膜です。細胞側のエンドソーム膜と膜融合しなければ、細胞にウイルスのRNAを放出できません。

[@ゼブラダニオ]

インフルエンザウイルスは鼻や目、口の粘膜から感染するのでしょうか コロナは上気道と肺の中でしか、感染しないと思うのですが。

[@tyatyamaru0314]

人間に感染する(h1n1.h3n2など)インフルエンザウイルスの侵入に必要なシアル酸およびガラクトースとの複合体が人間の場合上気道にしか存在しないので、インフルエンザウイルスは気管支からの侵入に限られます。ただ、現在問題になっている高病原性鳥インフルエンザでは、腸管粘膜のシアル酸ガラクトースト複合体に特異的に結合するHAを持っていますので、遺伝子の改変でそう言ったものが人間に侵入しうるインフルエンザウイルスのゲノムに組み込まれた時が大変なんですね〜。