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出 演:ひとみ座乙女文楽 静御前・亀野直美/ 佐藤忠信・田川陽香/ 狐・蓬田雅代
浄瑠璃:竹本素八/ 三味線:鶴澤津賀昇、鶴澤駒登久(1968年録音)
公演日:2022年8月8日~9日
会 場: 川崎市総合自治会館ホール
主 催:(公財)現代人形劇センター
助 成:文化庁「ARTS for the future! 2」補助対象事業
撮 影:古屋 均
【物語】
平安時代の末。源平合戦の英雄である源義経は、兄頼朝の不興をかって奈良・吉野に隠れ住んでいます。恋人の静御前は、義経を追って、家来の佐藤忠信を供に吉野山にとやってきます。
静御前が義経を想い、別れ際に授かった「初音の鼓」をとり出して打ち始めると、どこからともなく狐が現れて、鼓の音に聞き惚れるのでした。その狐と入れ替わるように、遅れて佐藤忠信が現れます。二人は暫しの休みをとり、静御前は義経を偲び、忠信は過ぎた屋島の合戦での、三尾谷四郎と平景清の有名な「兜の錣引(しころびき)」の戦いの様子を語り、また義経の身代わりとなって戦死した兄の様子を伝えて涙します。
実はこの場面にはもうひとつの物語が隠されています。忠信は実は狐が化けた姿でした。静御前の持つ鼓に、狐の両親の皮が使われているため、親を慕って鼓に寄り添っていたのです。先に現れて鼓の音に聴き入った狐こそが、この忠信の正体でした。
肉親の縁薄く流浪する源義経と、亡き親を一途に慕う子狐のふれあいを描く物語の一場面です。
(この真実はここでは伏せられていて、これに続く「河連法眼館の段」で狐と義経の物語が展開されます。)
<作・二代目竹田出雲、三好松洛、並木千柳/初演・1747(延享4)年、大阪竹本座>