14年前に戦争の悲惨さを伝えたくて啓発講演コンサートをプロデュースした。第二次世界大戦に没した日本の学徒兵の遺書集 【きけ わだつみのこえ】 の中で私が心痛めたある学徒兵の手記を紹介し、 この元ちとせさんと坂本龍一さんが原爆ドーム前で演奏された 【死んだ女の子】をバンドで演奏して、来場の皆様に聞いてもらおうと 企画した。しかし…周りの対応はそれはそれは冷ややかなもので、おまけに ピアニストからは 「この曲をやるというなら私は降ります!」とまで 言われてしまった。結局、そんな土壇場で代わりのピアニストもいない ので、この曲をステージで披露することは見送った…。 ABCラジオも来ていたのに、何の反応もなかった。 この曲の歌詞には7歳で被爆し、死んでいった架空の少女の悲惨さと 無念さ、そして平和を願う想いが綴られている。しかし皮肉にも… この曲の原作詞者は日本人ではない。トルコの人が原爆の悲惨さを 想って綴ったものが原詩となっている。10年以上の時を経てようやく 反戦運動が盛んになってきた。あの頃に聞いていてくれてたら…と もっと失わなくて済む命もあったのか?と複雑な気持ちである。 一度、きけわだつみのこえを呼んでほしい。異国で死刑を受けるその前日の学徒兵の手記を読んでほしい。彼のひと言が私は忘れられない。 Listen to Wadatsumi's voice Collection of wills from Japanese student soldiers who died in World War II