面舵と取り舵の取り違えの件は、今では考えられない事だが当時の英語圏では操舵の向きに関して解釈に方言があった。舵を指す"rudder"とは操舵手が手に持ったハンドル状の「操舵輪」を指すが、船体船尾の喫水下の水中に設置している舵板も"rudder"と言う。"turn the rudder to the left.(舵を左に回せ)"と言うと、操舵輪を左側に回すと船体は左方に進むが、舵板を左側に回すと船体は右方に進む。 カリフォルニアン号が救助に向かわなかった件は、当時の夜は氷山に取り囲まれ窯圧を落として流氷をやり過ごしている最中で(貨客船でなく貨物船なので到着時刻は重視されていなかった)窯圧を上げて再始動するのに半日は掛かったから、またそもそも氷山に取り囲まれた状況なので物理的に向かう事は出来なかったからとも。