ブレクスピプラゾール（レキサルティ）【統合失調症への効果と安全の両立を図る抗精神病薬、精神科医が7分でまとめ】

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ブレクスピプラゾール（レキサルティ）【統合失調症への効果と安全の両立を図る抗精神病薬、精神科医が7分でまとめ】

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0:05 はじめに
0:30 統合失調症と、最近の抗精神病薬の流れ
2:15 ブレクスピプラゾール（レキサルティ）の立ち位置、長所・短所と副作用
5:24 実際のブレクスピプラゾール（レキサルティ）の使い方
6:04 まとめ
ブレクスピプラゾール（レキサルティ）は、アリピプラゾール（エビリファイ）類似の抗精神病薬で、統合失調症に用います。効果と副作用の少なさの両立を期待します。
精神科医が要点を約7分の動画にまとめています。
出演：春日雄一郎（精神科医、医療法人社団Heart　Station理事長）
こころ診療所吉祥寺駅前　kokoro-kichijo...
府中こころ診療所　fuchu-kokoro.com
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↓↓内容の詳細は下記になります。
（１）はじめに：ブレクスピプラゾール（レキサルティ）
心療内科精神科の薬。今回はブレクスピプラゾール（レキサルティ）についてやっていきたいと思います。よろしくお願いします。
この心療内科、精神科の動画では、いろいろなメンタル分野の薬についてご紹介をしていきます。
今回は比較的副作用が少ない抗精神病薬であります。ブレクスピプラゾール（レキサルティ）についてやっていきたいと思います。
（２）ブレクスピプラゾール（レキサルティ）とは
まず、このブレクスピプラゾールまとめますと効果と副作用の少なさの両立を見込む薬ということになります。
少し詳しく見ていきますけれども、これはまずアリピプラゾール（エビリファイ）と非常に似たところが多い抗精神病薬になります。
その中で、アリピプラゾールの弱点であります、アカシジア・じっとしていられないという副作用が比較的少ないことは見込めまして、継続のしやすさを期待するものになります。
そして、副作用に関しては、短期的な副作用・長期的な副作用ともに少ないことが期待されるものであります。
（３）統合失調症と抗精神病薬、および最近の薬の流れ
この薬を使う統合失調症についてまとめていきますけど、これは悪化した時に幻覚や妄想などが出て不安定になってしまう脳の不調になります。
主に脳のドーパミンの作用が多くなりすぎることが背景にあるとされます。
そのため、主にドーパミンの作用を抑える抗精神病薬を継続するというのが治療になってきます。
この抗精神病薬ですけれども、基本的には脳のドーパミンの作用などを抑えて、統合失調症の改善を図る薬になります。
そして、改善を図る以外に再燃予防・ぶり返しを予防するという意味がありまして、基本的には安定しても続ける必要があります。
ここ最近では、社会復帰などを目指すにあたって、長期的な副作用が少ないということに重点が置かれつつあります。
最近の抗精神病薬の流れなんですけれども、より社会復帰を想定するというところが背景にありまして、まず全般的な副作用が少ない続けやすいという薬。
さらにその中でも長期的な副作用、長い目で見て血糖値が増えるとかそういった副作用が少ないものというものを期待することになっています。
ブレクスピプラゾールも、その流れの中の一つの薬ということが言えます。
（４）ブレクスピプラゾール（レキサルティ）の立ち位置と、類似薬アリピプラゾール（エビリファイ）との違い
では、このブレクスピプラゾール（レキサルティ）の抗精神病薬の中での立ち位置ですけれども、基本的には効果の強さと副作用の少なさの両立というところになってくると思います。
このブレクスピプラゾール、種類としてよく略称SDAMと言われまして、「セロトニン・ドーパミン・アクティビティモデュレーター」というふうに言われます。
図にしますと大きく言うと、2つの作用なんですね。一つはドーパミン部分作動薬。これはほとんどエビリファイと同じです。それにプラスしてセロトニンを調整するという作用があります。
なので、大まかに言ってしまうと、エビリファイにセロトニンの調整の作用が加わった薬と思っていただけると大きく間違いないと思います。
では、まず薬理学的なアリピプラゾールとの違いを見ていきますと、細かい違いを言うと「ややドーパミンを抑える方向に行く」ということは言われます。ややですけれども。
あとはセロトニンを調整するということになります。
では、セロトニンの調整でどんなことを期待するかと言いますと、まずはアカシジアといってじっとしていられないという副作用を減らすのを期待します。これは結構大きいです。
2つ目としては、認知機能・考えたりする機能を改善するというのを期待すると、薬理学ベースでは言われます。実際のところはまだ議論があります。
3つ目としては、うつの改善の作用を見込むということです。今、統合失調症のみ適応なんですけれども、今後場合によっては、うつ病の増強療法、抗うつ薬と一緒に使うということの今、治験などが行われているということがあります。
実際のアリピプラゾールとの違いというところを見ていきますと、1つ目はアカシジアが少ないというところ、なので続けやすいということは見込めるということです。
一方で、量の微調整が難しい。これは一長一短ではあります。
3つ目としては、どちらもうつの改善の効果は比較的見込めるんですけれども、メカニズムがちょっと違うというところがあります。そうなると、これは後々ではありますけれども、うつに対して使うことが仮にあるとすれば、メカニズムが違うので、アリピプラゾールが合わなかったらブレクスピプラゾールを使うというのも選択肢になるかと思います。
（５）ブレクスピプラゾール（レキサルティ）の強みと弱点
ブレクスピプラゾールの強みと弱みを見ていきますけれども、まず強みとしては短期的・長期的ともに副作用が少ないということになります。
そして、その中で効果は見込む中でアカシジアというじっとしてられない副作用も少なめなので、比較的使いやすいことを見込むというところ。
3つ目としては1ミリで始めて2ミリで維持する。シンプルな使い方ということです。
一方で、このブレクスピプラゾールの弱点ですけれども、1つ目は量の微調整が難しい。シンプルな分逆に（微調整は）難しいです。
2つ目としては、いわゆるリスペリドン、オランザピンなどの有名な薬と比べると、効果に相性がある、効く方効かない方がいるということです。
3つ目としては、鎮静作用が弱い抑える作用が弱いので、急性期で興奮している方に対しては少し弱点があります。
（６）ブレクスピプラゾール（レキサルティ）の副作用
ブレクスピプラゾールの副作用ですけれども、全体的には短期的なもの・長期的なものとも少ないとされます。その中であるのがまずアカシジア、アリピプラゾールよりは少ないけれども、他の薬よりは多いです。
2つ目は眠気、これは個人差があります。比較的少ないですけど、出る方は出る。
3つ目が頭痛、これも出る方は出るということになります。
（７）ブレクスピプラゾール（レキサルティ）の実際の使い方
実際の使い方を見ていきますけれども、まずは1日一回1ミリで始めます。そして不十分だったら2ミリまで増やすと。
副作用が目立った場合は0.5ミリ錠もありますので、減薬・減らすか薬を別の薬に変えるかをしていきます。
そして、2ミリでも不十分であれば、変薬・薬を変えるなどを検討していきます。
そして、安定した後も再燃（ぶり返し）を予防するために続けていきます。
そして、他の薬からこの薬に変えるということも実際はあり得るんですけれども、その場合、急に変えると相性が悪い場合がありますので、慎重に検討していただくのが大事かと思います。もしやる場合も、徐々に変えるというやり方を恐らく取るんじゃないかと思います。
（８）まとめ
今回は、ブレクスピプラゾール（レキサルティ）についてまとめてきました。このブレクスピプラゾールはアリピプラゾールと非常に似た薬、エビリファイと非常に似た抗精神病薬でして、統合失調症に使うものになります。
短期的・長期的、どちらの副作用も少なくなりまして、安全性を見込める薬。そのために社会復帰を考える時には非常に強みがある薬になります。
一方で、効果には個人差がありまして、もし効果が不十分な時は他の薬へ変えるということも検討していただけたらと思います。
こころ診療所グループ（医療法人社団Heart　Station）
府中こころ診療所（東京都府中市宮西町1-1-3三和ビル2階、☎042-319-7887)
こころ診療所吉祥寺駅前(東京都武蔵野市吉祥寺南町1-4-3ニューセンタービル６階、☎0422-26-5695)
#ブレクスピプラゾール　#レキサルティ　#抗精神病薬　#統合失調症　#エビリファイ　
【解説者】
医療法人社団Heart　Station　理事長　府中こころ診療所院長　春日雄一郎
精神科医（精神保健指定医、日本精神神経学会精神科専門医）
2005年東京大学医学部卒業、NCNP病院、永寿会恩方病院等を経て、2014年に府中こころ診療所を開設、その後医療法人化し理事長に就任、2021年8月に分院「こころ診療所吉祥寺駅前」を開業。メンタルクリニックの現場で、心療内科・精神科の臨床に取り組み続けている。